勝てばスター軍団のおかげ、負ければ采配のせい――。何かと割を食うドジャースのデーブ・ロバーツ監督(54)に、地元紙が強力な〝援護射撃〟を送った。

 ドジャースは10日(日本時間11日)、本拠地でロイヤルズに6―5で競り勝った。直前まで9戦8敗と急失速していただけに価値ある白星となったが、地元紙「カリフォルニア・ポスト」がクローズアップしたのは勝敗そのものではない。ロバーツ監督がチームの危機をいち早く察知し、それを言葉と采配の両方で動かそうとした点だった。

 この日の試合前、指揮官は現状について「それでは不十分だ」と厳しい認識を示した。相手投手の速球に押し込まれる姿を「いじめられている」と表現し「選手たちには、このことを個人的な問題として受け止めてほしい。私たちは、いじめられるべきではない」と奮起を要求。一方的に選手を責めるのではなく、自らも「より緊急性をもって対応する必要がある」と宣言した。

 ここに同紙が見る〝ロバーツ再評価論〟の核心がある。世間では個性豊かなスターをまとめ上げる「人心掌握型」の監督というイメージが強く、その主な仕事は大物選手同士を衝突させず、巨大戦力を円滑に動かすことだと見られがちだ。

 だが、同紙はそんな見方に対し「ゲームマネジャーとしての能力を過小評価している」と指摘。さらに続けて「勝敗を左右する局面やシーズンの転換点を察知し、必要とみれば迷わず動ける決断力こそロバーツ監督の武器だ」と評価した。

 それを象徴したのがこの夜の采配だ。6回、1点を追う二死二、三塁。不振のテオスカー・ヘルナンデスのところで相手が右腕へスイッチすると、休養日だったタッカーを代打に送った。そのタッカーが四球を選び、続くマンシーの3点二塁打につながった。

 シーズン序盤なら復調を期待してヘルナンデスを送り続ける選択肢もあったが、今はそんな悠長な時期ではない――。試合前に口にした「緊急性」を、すぐさま行動に移した格好だ。

 ところが、9回は逆だった。復帰後に2度のセーブ失敗を喫していたディアスを切らず、再び守護神として送り出した。ディアスは三者凡退で応え「彼らは僕を信頼してくれている」と感謝した。

 不振の打者には情を挟まず代打を送り、苦しむ守護神にはあえてもう一度託す。非情と信頼を勝負どころで使い分ける――。スター軍団の〝調整役〟だけではない。危機を嗅ぎ取り、必要な瞬間に腹をくくれる勝負師でもある。

 カリフォルニア・ポストが擁護した〝ロバーツ像〟を、この一夜の采配が何より雄弁に物語っていた。