王者の足元に、赤い影が忍び寄っている。3連覇を狙うドジャースは10日(日本時間11日)、本拠地でロイヤルズに6―5で辛勝。連敗は逃れたものの、直近10試合は2勝8敗と低空飛行が続く。71勝48敗でナ・リーグ西地区首位を守っているとはいえ、盤石とは言い難い。

 その王座を脅かす存在として急浮上しているのが、同リーグ東地区首位のブレーブスだ。この日のメッツ戦こそ乱打戦の末に5―8で敗れたが、直近10試合は7勝3敗。7月30日から8月6日(同8月1日から7日)までは7連勝を飾り、通算71勝48敗でドジャースと全く同じ成績に並んでいる。2位フィリーズには7・5ゲーム差をつけて独走中だ。現時点の勝率なら162試合換算で97勝ペースで100勝を伺う。ドジャースと同率とはいえ、対照的な安定感が不気味だ。

 米経済紙「フォーブス」は同日、ブレーブスをナ・リーグ覇権争いでドジャースに挑む有力候補として特集した。最大の武器は、穴の少ない強力打線だ。

 正捕手のドレイク・ボールドウィンをはじめ、野手陣もロナルド・アクーニャ・ジュニア、マット・オルソン、マイケル・ハリス・ジュニア、オジー・アルビーズらスター選手が並ぶ。中でもアクーニャはハムストリング痛で38試合を欠場しながら7月27日(同28日)に復帰。長打力とスピードが加わり、もともと厚かった打線が一段と手ごわくなった。ベンチにも実績十分の野手を置ける層の厚さがあり、長丁場で主力を休ませながら戦えるのも強みとなる。

 強みは打つだけではない。先発陣に故障者が相次ぐ中でも、クリス・セールを軸に、マーティン・ペレスやタイラー・マーリーら経験豊富なベテランでローテーションを整備。救援陣も守護神ライセル・イグレシアスを中心に左腕を複数そろえ、終盤の選択肢が豊富だ。フォーブスも打撃、投球、守備のバランスと層の厚さを高く評価している。

 打線の爆発力だけに頼らず、故障者が出ても戦力を組み替えながら勝ち切れる。それこそがブレーブスの怖さだ。短期決戦では、一つの弱点が命取りになる。今のドジャースにとって、これほど厄介な相手はいない。王者の3連覇ロードは、どうやら一本道ではなくなった。