主力の故障は痛手だが、層の厚さを試す号砲にもなる。ドジャースのテオスカー・ヘルナンデス外野手(33)が27日(日本時間28日)、本拠地ドジャースタジアムでのロッキーズ戦で左ハムストリングを痛めて途中交代した。2回に一ゴロで一塁へ駆け込んだ際に異変が生じ、デーブ・ロバーツ監督(53)は試合後、負傷者リスト(IL)入りし「少なくとも数週間」は欠場する見通しを示した。前日から故障者が相次ぐ中、米メディア「ヘビー」は落胆だけで終わらせるべきではないとし、アレックス・コール外野手(31)に視線を向けた。

負傷者リスト入りしたテオスカー・ヘルナンデス(ロイター)
負傷者リスト入りしたテオスカー・ヘルナンデス(ロイター)

 ヘルナンデスは今季、打率2割7分6厘、7本塁打、31打点。直近7試合で打率3割8分1厘と上昇気配にあっただけに、離脱の打撃は小さくない。傘下3Aオクラホマシティーのジェームズ・ティブス3世外野手(23)、ライアン・ウォード外野手(28)も昇格候補に挙がる中、まず白羽の矢が立つ形となったのがコールだ。

 今季はここまで25試合出場で11試合に先発し、打率2割9分4厘、出塁率3割4分8厘、長打率4割3分6厘、10打点、10四球。派手な本塁打量産型ではないが、打席で粘り、ゾーンを見極め、必要な場面で走者を返せる。昨夏にナショナルズから加入した際も、対左投手への強さと四球を選べる打席内容が評価された。2人の若手投手を差し出して獲得した事実にも、球団が単なる人数合わせ以上の価値を見ていたことがにじむ。

 準備力を示す場面もあった。今季初先発となった4月4日(同5日)のナショナルズ戦では、打撃練習中に打球を体に受けながら出場。さらにロボット審判の判定確認で三振判定を覆し、直後に適時打を放った。数字以上に「いつ呼ばれても仕事をする」タイプで、スター軍団の中では地味でも、首脳陣にとっては計算しやすい駒だ。

 27日の試合でも、コールは2回に飛球へ飛び込み、長打を阻止する好守を見せ、4回には適時打も放った。チームは大谷翔平投手(31)の6回無安打投球と先頭打者弾の9号ソロなどで4―1と勝利し、5連勝で36勝20敗。ナ・リーグ西地区首位を守り、2位ダイヤモンドバックス、パドレスに4・5ゲーム差をつけた。

 ヘルナンデスの離脱は痛い。ただ、王者が強い理由は主力だけに頼らない層の厚さにある。コールにとっては、待ち続けた出番を「穴埋め」で終わらせない絶好機だ。