大型契約の重圧も低迷球団の空気も、まるで意に介さない。メッツのフアン・ソト外野手(27)が、バットで雑音を黙らせた。
ソトは27日(日本時間28日)、本拠地シティ・フィールドで行われたレッズ戦に出場し、初回二死走者なしから相手先発アボットのカーブを右翼席へ運ぶ12号ソロ。チームは4―2で競り勝ち、連敗を5で止めて同一カード3連敗を免れた。
米メディア「ヘビー」は「メッツのフアン・ソトがパワーサージで球団史に名を刻む」と報道。MLB公式サイトの指摘として、ソトが直近12試合で8本塁打を放ち、過去10年間のメッツ選手では誰も到達していなかった領域に踏み込んだと伝えた。米スポーツ専門局「ESPN」によれば、この12試合8発は自身のキャリア最多にも並ぶ数字だ。
圧巻なのは本塁打だけではない。直近12試合は打率3割8分1厘、8本塁打、13打点、4盗塁。今季通算でも打率3割1厘、12本塁打、24打点、出塁率3割9分2厘、長打率5割9分4厘、OPS・986と、チーム内で本塁打、四球、打率、出塁率、長打率、OPSなど軒並み上位に立つ。しかも、今季55試合中17試合を欠場しながらの数字だ。
昨オフに15年総額7億6500万ドル(約1220億円)でメッツ入り。契約には7500万ドル(約120億円)の契約金、5年後のオプトアウト権、繰り延べなしの条件が盛り込まれ、金額に見合う働きかどうかは常に批判の的になってきた。チームが沈めば、矛先は真っ先に背番号22へ向かう。それでもソトは「柳に風」。試合後も本塁打量産について「ボールがどこへ行くかはコントロールできない。ただダメージを与えたい」と淡々と受け流した。
メッツはこれで23勝33敗。ナ・リーグ東地区最下位に沈み、首位ブレーブスとは14ゲーム差で絶望的な数字だ。上位の背中は依然として遠く離れている。世代屈指の才能を抱えながら、チーム全体はなお浮上のきっかけをつかみ切れていない。だからこそ、ソトの一振りは重い。
孤軍奮闘にも見える暴れぶりは、落胆モードのファンに残された数少ない希望でもある。批判を浴びても歩みを止めない7億6500万ドル男は、将来の殿堂入りへ向けてメッツの暗い空気を一人で切り裂いている。












