プロ野球を代表する伝統球団・巨人が揺れている。阿部慎之助前監督(47)が家庭内のトラブルから長女への暴行容疑で25日に現行犯逮捕され、釈放された翌26日に電撃辞任した。誰も想像すらしなかった急展開を球団OBでもある本紙専属評論家の伊原春樹氏はどう見たのか。阿部前監督の今後についても持論を展開した。
【新鬼の手帳・伊原春樹】本当に目を疑った。26日朝、新聞のスポーツ欄を読んでいたら「阿部逮捕」と出ていた。「同じ名前の人がいるものだ」と思っていたら、まさかまさか…。慎之助が逮捕されていた。事件の詳細は当事者たちにしか分からないが、球団が発表した情報を見る限りはどの家庭にも起こり得る「親子ゲンカ」ということだったのだろう。それを考えれば慎之助が気の毒でならない。
当事者たちの気持ちを察するに、思春期の娘さんからすれば親にムッとする気持ちも分かる。今の若い子たちは困った時にAIに頼ることが当たり前の時代。虐待が大きな社会問題となっている昨今、児童相談所から警察に通報された経緯も十分理解できる。
慎之助としても阪神に3連敗し、気落ちしてる中で自宅で酒でも飲みながら頭を整理して落ち着こうと必死だったのだろう。私も監督を経験したから分かるが、精神的にも相当ピリピリしていたはずだ。
とはいえ、今の時代はいかなる理由でも暴力は認められない。私たちのような昭和の人間は、子供が悪いことをすれば容赦なくひっぱたかれたものだが、今は絶対に許されない。ましてやかわいい娘さんだ。「逮捕」という結果になってしまった以上、監督を退任することも球団側の判断も致し方ないと言わざるを得ない。
ただ、慎之助の野球人生はこれで終わりではない。背景を考えれば、万一にも球界から「永久追放」などということがあってはならない。1、2年でグラウンドに戻ってこられるようなものではないかもしれないが、彼はまだまだこれからの人間。時の高市政権でも支持率はせいぜい5割程度だろうが、慎之助のことは今でも7~8割のファンが支持しているはずだ。
彼が今後歩む道は険しいものとなるかもしれない。しかし、阿部慎之助という男が球界で再び認められる時が必ず来ると信じる。その時まで温かく見守っていきたい。
(本紙専属評論家)












