名門の再建プランに、身内から赤信号がともった。米メディア「ヘビー」は3日(日本時間4日)、低迷するレッドソックスの編成部門を巡る不穏な空気を伝えた。
焦点はクレイグ・ブレスロー編成本部長(45)だ。コーラ前監督の解任後もチームは浮上し切れず、攻撃力不足とロースター構成への批判が強まっている。そこへ、レッドソックスの元GMで現在は親会社「フェンウェイスポーツ・グループ」のシニアアドバイザー兼一部オーナーを務めるセオ・エプスタイン氏(52)が、ブレスロー体制の「分析偏重」に失望していると複数の球界関係者の話として地元放送局「NBC ボストン」によって報じられた。2004年、07年の世界一を築いた名編成マンの苦言だけに、球団内外へ走った衝撃は小さくない。
もちろん、両者の関係悪化を否定する声もある。エプスタイン氏はかつて自身が副社長として率いたカブスの編成部門にブレスロー氏を迎え入れ、レッドソックスの要職就任にも影響力を持ったとされる。だからこそ今回の〝身内からの警告〟は重い。データを重んじる現体制が、現場感覚や選手の声をどこまで拾えているのか。名門再建の設計図そのものが問われ始めた。
チームは3日(日本時間4日)のオリオールズ戦(フェンウェイ・パーク)に8―1で快勝。連敗ムードを断ち切ったとはいえ、26勝34敗でア・リーグ東地区5位、首位レイズとは10・5ゲーム差。ワイルドカード圏まで3ゲーム差と数字上の望みは残るが、夏のトレード期限を前に「買い手」か「売り手」かの判断を迫られる微妙な位置にいる。快勝の一夜だけで、編成批判の火消しになる状況ではない。
その余波は吉田正尚外野手(32)にも及ぶ。今季はここまで119打数30安打、打率2割5分2厘、1本塁打、10打点、OPS0・693。打線の渋滞もあり、出場機会は盤石とは言い切れない。攻撃力改善を最優先する編成の中で、吉田の起用法、さらには去就まで議論の俎上に載る可能性は否定できない。今後の打席は、単なる復調アピールにとどまらず、自らの居場所を守る査定の意味も帯びてくる。
白星を挙げても、名門を覆う重苦しさは消えない。ブレスロー氏への逆風、エプスタイン氏の不満、そして吉田の微妙な立ち位置。レッドソックスは勝敗表だけでなく、組織全体の信任を取り戻す戦いにも足を踏み入れている。












