野球の日本代表・侍ジャパンの新たな体制づくりの一環として「GM制度」の導入を求める声が上がっている。

 3月に開催されたWBCでは準々決勝で無念の敗退。監督として日の丸の重圧とも戦った井端弘和氏(50)は退任し、後任探しが行われている。侍ジャパンの復権を期す中、代表でコーチを経験したOBの一人は「そろそろ日本代表にも、チーム編成の責任者となるGM制を」と主張した。その理由は、代表監督にかかる負担の軽減にあるという。

 WBCはMLBのシーズン開幕直前に開催されることもあり、代表チームに選手を派遣してもらう場合は、所属球団との話し合いが不可欠。投手であればイニング数、打者は打席数など選手個々の契約に基づき、合流時期も踏まえて数々の取り決めが交わされる。

 こうした選手の代理人や所属球団との事務的な折衝は、侍ジャパンのスタッフが窓口となってきた。しかし、実際には2023年のWBCまで指揮を執った栗山英樹氏(65)や井端氏が、現場責任者でありながらチーム編成を進める兼ね合いから、フロント業務でも中心的な役割を担ってきた。WBCが開催される前年には渡米し、MLBでプレーする日本選手を直接訪問。現地で自ら参戦する意思を確かめるなど、グラウンド外でもチームづくりに腐心してきた。

 今春のWBCでは侍ジャパン史上最多となる8人のメジャーリーガーが招集され、今後予定される28年7月のロサンゼルス五輪、次回WBCなどの主要な国際大会では同様の流れが加速するとみられる。

 前出の侍ジャパンOBは「今後も世界で勝つことを考えたら、メジャーリーガーの力が必要なことは間違いない。でも、栗山監督や井端監督のように、現場の監督が選手招集における諸々の作業まで骨を折らなければならないのは、あまりにも負担が大き過ぎる。日本代表の監督を誰も受けたがらない理由は、そういうところにもあると思う」と本音を隠さなかった。

 屈辱の敗戦を受け、侍ジャパンをどう再建していくのか。背広組の構造改革にも一考の余地があるかもしれない。