勝っても不安、負ければなお痛い。ブルージェイズの火薬庫に、また嫌な煙が上がった。
米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は、ブルージェイズのアディソン・バーガー外野手(26)の現状に警鐘を鳴らした。両足首の捻挫で負傷者リスト(IL)入りしていたバーガーは9日(日本時間10日)に復帰したばかり。しかし復帰戦後、右ヒジに氷のうを巻く姿が確認され、10日(同11日)のエンゼルス戦(ロジャース・センター)は出場を回避した。右ヒジの痛みによりMRI検査を受ける方針をジョン・シュナイダー監督(46)が明かしており、単なる休養では済まない不穏な空気が漂っている。
バーガーの重みは数字に表れている。今季は故障の影響で9試合出場にとどまるが、昨季は135試合で21本塁打、74打点。ポストシーズンでも17試合で打率3割6分7厘、3本塁打、9打点と勝負どころで存在感を示した。前出のON SIも、バーガーがもたらす得点力に加え、守備力、スタミナ、運動能力を失うことは「はるかに受け入れがたい痛手」と位置づけている。
もちろん、打線に光がないわけではない。岡本和真内野手(29)は同戦の初回、左翼へ適時二塁打を放って先制点を演出。4打数1安打1打点で連続試合安打を9に伸ばした。今季は39試合で打率2割4分8厘、10本塁打、26打点、OPS・814。本塁打、打点はいずれもチームトップで、ブルージェイズ打線の新たな軸として存在感を増している。
それでもチームはエンゼルスのソリアーノに20者連続アウトを喫するなど沈黙し、1―6で敗戦。エリック・ラウアー投手(30)が5回6失点と崩れ、アデルには2本塁打を浴びた。これで10日(同11日)現在、18勝22敗のア・リーグ東地区3位。8・5ゲーム差の首位レイズとは勢いの差が広がり、次カードではそのレイズを本拠地に迎える。
岡本のバットは確かに頼もしい。だが、バーガーまで再び失えば、帳尻を合わせるだけでは足りない。ブルージェイズに必要なのは1人の快音ではなく、打線全体の厚みを取り戻すことだ。右ヒジのMRI結果次第で、トロントの5月は一気に重くなる。













