WBCで2017年大会以来、2度目の世界一を目指す米国代表が2日(日本時間3日)にアリゾナ州フェニックスで本格始動した。今大会は主将のアーロン・ジャッジ外野手(33=ヤンキース)を筆頭にMLBのスーパースターが勢ぞろい。これまではMLB以外の試合への参加には消極的だったが「歴代最強」と呼ばれるまでに〝潮目〟を変えたのは、他ならぬ大谷翔平(31=ドジャース)の存在だという。

 米国代表が〝本気モード〟だ。内外野にオールスター級の選手をそろえ、投手陣も豪華そのもの。先発に昨年の両リーグのサイ・ヤング賞投手、スキーンズ(パイレーツ)とスクバル(タイガース)らが名を連ねる強力布陣だ。

 前回の2023年大会は、決勝で侍ジャパンに敗退。大谷が当時エンゼルスで同僚だったトラウトを空振り三振に仕留めた劇的な幕切れは、米国側にとって屈辱的シーンの一つだ。WBC優勝も過去5度の開催で1度だけ。野球の本場として雪辱に燃えることは想像に難くないが、最強メンバーがそろった理由は他にもあるという。

 米球界関係者は「国を代表して戦う名誉とは別に、プレーヤーとして『参加したい』と駆り立てたのは大谷の存在以外、考えられない」と断言した。というのも、優勝した直後に世界ナンバーワンプレーヤーの大谷が「(26年大会も)出たい」と発言したことが大きな要因とみているからだ。

 大谷の宣言が起点となり、米メディアの意思確認は周囲のトップ選手に広がる。前出関係者は「それを受けて何らかの大義を語る。ただ、本当のところは『大谷がやるから』。それは間違いない」と言い切った。

 さらに、大谷の投打にわたる二刀流の活躍がMLB戦士たちの「〝言い訳〟がなくなった」との見方もある。

 メジャーリーガーにとっての最優先事項はMLBのシーズンであり、ワールドシリーズ優勝。開幕前に行われるWBCへの出場には「寒い」「契約最終年だから」「WBCに出てシーズンに影響が出たら…」といったマイナス思考、故障のリスク回避などの大義名分も通用した。ところが大谷の出現によって、退路を断たれる格好になっているという。

「MLBで肉体的にも精神的にも最もハードなのは誰? となれば、大谷で間違いない。球団も代理人も『アイツ(大谷)はシーズンでもバリバリやっている』と。選手に対する発言も、ひと昔前とはある意味〝真逆〟のことを言うことがすっかりスタンダードになった」

 そうした状況下でも、何かと理由をつけて出場を回避しようとする選手がいたとすれば…。「シーズンでどんな好成績を収めようとも(WBCを)辞退した事実がある限り、その選手は、ただの〝小さい男〟と呼ばれるかもね」と、別のリスクに直面する可能性も示唆した。

 いずれにせよ、大谷が米国代表を本気にさせたことは確か。今大会ではどんなドラマが生まれるのか注目される。