2年ぶりとなるリーグ制覇を成し遂げた阪神では、今オフの契約更改でミリオネア選手が続出。〝記録的暖冬査定〟で懐ホカホカの年末年始となった。

 虎ブルペンのエースリリーバー・石井大智投手(28)も倍増以上となる年俸2億円ジャストの大幅増俸をゲット。今季53試合に救援登板し防御率0・17という驚異的な成績をマークした右腕はNPBレコードとなる50試合連続無失点という金字塔も樹立しただけに「いい評価をしていただいた」と充実の表情をのぞかせた。

 更改終了後の会見で石井は「将来を考えた時にアメリカの野球を経験させていただきたい」と球団サイドにポスティングシステムを利用した米球界挑戦の意向を伝達したと明言。2020年ドラフト8位という下位指名ながら、人並み外れた探求心と向上心をバネに成長してきた右腕の意識が、より高いステージへ向かうことはある意味必然だったのかもしれない。

 一部では石井の「メジャー適性」に疑問符をつける声もあるが、現役時代はタイトル獲得歴もあり指導者経験も豊富な球団OBは「石井は間違いなくメジャーでも通用する」と太鼓判を押す。

「何よりも現代野球で重視される、球速だけでは測れない〝直球の質〟が素晴らしい。ホップ成分とかベース盤上の強さとかだね。身長は175センチと小柄な部類だけど、そこから伸びあがるようなストレートを投げ込めるからこそ、どんな打者でも錯覚を起こし、差し込まれて打ち取られる。さらに加えて制球力も素晴らしいから石井は今季これだけの数字を残すことができた」

 今季石井は延べ199人の打者と対戦したが、その中で与えた四死球はわずかに8。代打攻勢などで相手チームが勝負を仕掛けてくるゲーム終盤のマウンドを戦場としながら、これだけの制球力をキープできたことは特筆すべき事項だろう。

 石井自身も「自分としては(MLBで戦うには)まだまだ足りないし、伸びしろはあると思っている」とさらなる成長を誓う。秋田高専→四国IL高知→ドラ8入団と超異例のルートで叩き上げてきた〝雑草男〟は海の向こうにわたっても、唯一無二の美しい花を咲かせてくれるはずだ。