過去の例に漏れず、来春のWBCでも「滑りやすい大会公式球」への順応が一番の課題となりそうだ。野球日本代表・侍ジャパンは10日、広島との練習試合(宮崎)に臨んだ。試合は両軍合わせて32安打、25得点の大乱戦の末に侍ジャパンが14―11で勝利。この日は9回終了後にタイブレークを実施し、来年3月開催の第6回WBCで導入されるサイン伝達機器「ピッチコム」の着用や投球間の時間制限「ピッチクロック」が試され、本番さながらのルールで行われた。
大会連覇を狙う井端ジャパンにあって、強みは日本伝統の「守り勝つ野球」。その中心はやはり投手だ。そんな中、この日の練習試合で不安を露呈する形となってしまったのが、左の第2先発候補である隅田知一郎投手(26=西武)と守護神候補の松山晋也投手(25=中日)だった。
3番手で3回から登板した隅田は球数が75球とかさんで予定の3イニングを全うできず、2回2/3を9安打、5四球、9失点。松山も1イニングを完了できず、36球を投げて4安打2失点(自責1)と振るわなかった。前者は昨秋の第3回プレミア12にも選出された実力者。後者は今季46セーブを挙げて大ブレークした竜の守護神だ。
WBCでは滑りやすいとされるメジャー公式球が使われる。繊細な投手にとって、ボールへの順応が何よりも重要だ。前回大会は松井裕樹投手(30=パドレス)が最後までアジャストできず、1次ラウンドの韓国戦のみの登板に終わった。実力者でも公式球を思うように操れなければ、戦力とはなれない。隅田も松山も能力は申し分ないが、この日は制球が定まらず得意の球種も生きないまま痛打を浴びるシーンが散見。試合後、松山は「ボール自体は気にすることはないかな…と思っているが、どうなるかは分からない。そこはいろいろ工夫しながやらないといけない」と表情を引き締めていた。
新たに導入されるピッチクロックなどへの対応も喫緊の課題だが、最大の懸案をつぶせなければ連覇の道は見えてこない。井端監督はじめ代表首脳陣も課題に挙げた「ボールへのアジャスト」。本番まであと4か月。時間はあるようで、短い。












