侍ジャパンが井端弘和監督(50)の指揮の下、宮崎で強化合宿を行っている。来年3月のWBC開幕まで4か月を切ったが、チームの〝精神的支柱〟を担ってきたダルビッシュ有投手(39=パドレス)の参戦は絶望的。今大会はこれまでとは違った形でのチームづくりが求められている。

 宮崎合宿の主要テーマは、WBC本大会でも採用される「ピッチコム」や「ピッチクロック」「拡大ベース」などへの順応と対策。MLB仕様の土俵に一日も早く慣れるため、首脳陣やナインたちも試行錯誤を重ねている。

 合宿終了後に行われる「ラグザス 侍ジャパンシリーズ」韓国戦(15、16日=東京ドーム)も同様のルールで実施される。WBC本大会出場を目指す当落線上の選手たちにとっては、重要な意味合いを持つ一戦となる。

 ところが、日本代表の大会連覇に向けて本格始動しようとした合宿開始の前日5日に、海の向こうからショッキングなニュースが舞い込んだ。2023年の前回大会でチームの一員に選出され、ナインたちのまとめ役も務めたダルビッシュが、自身2度目となる右ヒジの手術を受けて来季の全休が決定的に。心身の両面で頼れる右腕の不在は、井端ジャパンにとっても大きな痛手だ。

 サッカーやラグビーのワールドカップなどでも「精神的支柱」役として、実績と人望を持ち合わせたベテラン選手を招集することは、チームづくりの重要な手法として定着。歴代最多となる日米通算208勝をマークしているダルビッシュは、まさに適任だった。

 今からその〝代役〟を探すにしても、代表選出経験が豊富な選手や、球界関係者は「ダルさんの代わりになるような選手などいない」と一様に口をそろえている。積み重ねてきた白星の数。いち早く栄養学やウエートトレーニングの重要性を発信してきた先進性など、そのカリスマ性は唯一無二だ。

 メンバーの選定、新ルールへの対応、チームづくりの方向性など多くの課題と向き合っている井端監督も、今合宿中は「やるべきことが多すぎて…」と多忙な日々を送っている。本番までの残り時間は、長いようで実は短い。