来年3月開幕の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向け、井端ジャパンが本格始動する。NPB組のみで行われる野球日本代表・侍ジャパンの宮崎強化合宿が6日からスタート。MLB組の面々が不参加とはいえ、この機会を利用して井端弘和監督(50)ら侍首脳陣は国内組の代表メンバーたちに「ある意識」を徹底させるという。

 それは「『1秒』への意識とこだわり」。WBCで採用されるルールは国内組が普段、プレーしているNPBよりも投手・打者ともに試合進行の「間(ま)」が時短化されたものとなる。

 大会本番では試合中のさまざまなシーンで細かく時間が設定され、内容はMLBとほぼ同様のルールが採用される見込み。投手なら無走者時は15秒以内、有走者で18秒以内で投球動作に入らなければならない「ピッチクロック」や、バッテリー間では「ピッチコム」を用いた通信機器でのサイン交換、けん制球の回数制限など、すでに井端監督も今合宿での対策の必要性を口にしている。

 投手だけではない。侍関係者の一人は「日本で普通にやっていることでも、まかり通らないことが結構ある」と指摘。具体的には、守備中の内野陣が打者走者をアウトにした後に行う「ボール回し」の時間などが挙げられる。イニング間も例外ではない。守備で3アウトを取り、ベンチに戻ってから攻撃のイニングで先頭打者として入るまでの時間は「感覚的にもNPBの時とは、確実に違ってくる」(前出関係者)。野手も同様に試合進行への意識徹底が必要になるというのだ。

 NPBルールとの時差ならぬ「秒差」に対応できなければ、審判から投手であれば「1ボール」、打者であれば「1ストライク」が宣告される。これがWBCルールの〝トラップ〟だ。前出関係者も「(通常はシーズンオフの)この時期でもあるし、個々の状態をとやかく言うようなことはない。今回の合宿はルールへの理解と対策、対応。この1点のみと言ってもいい」。

 今合宿では多くの実戦形式の場面で首脳陣はもちろん、多くのスタッフがストップウオッチ持参で「秒」に目を光らせていくことになる。