果たしてGブルペンを支える精神的支柱の決断は――。8月に国内FA権を取得し、今オフの行使も視野に熟考を続ける巨人・中川皓太投手(31)の去就が注目されている。特に気が気でないのは、ともに汗を流してきた他のブルペン要員たちだ。

 中川は今季開幕を二軍で迎えたものの、4月6日の初登板から11試合連続無失点をマークするなど抜群の安定感を披露。最終的にチーム最多の63登板、同2位タイの36ホールド、防御率2・24の好成績を残し、昨季は左膝痛で苦しんだものの一転して復活を印象付けた。プロ10年目左腕は生え抜き投手としては最年長であり、リリーフ陣においてもバルドナードに続く年長者。マウンドだけでなく、面倒見の良い性格から精神的支柱としてもブルペンを支えてきた。

 入団1年目の宮原駿介投手(23)は、普段の中川について「皓太さんは視野が広くていろいろなことを気にしているというか、周りがよく見えている」と明かす。その上で「ブルペンで準備する時も『そろそろ(展開が)危ないから(マウンドに上がる)気持ちを作った方がいいんじゃないか』とか『まだ焦る時じゃないからそんなにソワソワしなくていい』って、教えてもらったり本当にありがたいです」と、あらためて謝意を示した。

 戦況を見守る若手投手の心情を察し、中川は頻繁に声もかけていた。真夏の試合では、ブルペンで待機している投手陣にしっかりと風が当たるように扇風機の向きをサッと調整する気配りも見せたという。

 さらに宮原からは感謝の思いがあふれた。「春のキャンプでは、二軍の投手の中で1年目が僕1人だった。全員先輩でなじめない部分があったんですけど、皓太さんが『ちゃんとミヤも入れてやれよ』って言ってくれた」。2022年には故障で一軍登板がないままシーズンを終えたり、育成契約も経験したりするなど中川自身が苦難を味わってきたからこそ、後輩に寄り添う言葉が自然と出る。

「練習の手を抜かず、周りのお手本になるような努力家」との声も上がる左腕は、投球だけでなく気配りでもブルペンに欠かせない存在だ。

 だからこそ宮原の言葉の端々には、中川に対する〝来季も残ってほしい〟というメッセージが暗に込められている。これはブルペンのみならず、G投手陣の総意とも受け取れそうだ。

中川を慕っている宮原駿介
中川を慕っている宮原駿介