【柏原純一「烈眼」】日本ハムは2日、敵地のソフトバンク戦(みずほペイペイ)に1―2で逆転サヨナラ負けを喫した。首位を走る現状に影響はないとはいえ、改めて野球の怖さを実感した一戦となったはずだ。
初回の1点を9回一死まで守り続け、最後の最後で山川に逆転サヨナラ打を浴びた先発・加藤貴は素晴らしい投球だった。彼に非などない。接戦で流れを手放すようなことをやると、必ず痛いしっぺ返しを食らう。そんな結末だった。
痛恨だったのが、8回の攻撃だ。無死満塁の好機を逃したこと。相手の2番手・藤井に対し、1番・吉田の安打と2四球で得た絶好のダメ押し機を、3番・矢沢以降の中軸でものにできなかったことだ。結果はまさかの3者連続三振。二死となってから5番・郡司にとっては「逆にこの好機を逃したら…」という心理が働き、仕方ない側面もある。だが、その前の2人は何も起こらない「三振だけはNG」の場面だった。
無死からの3番・矢沢はボール球のフォークを振って追い込まれ、最後に4球目の高め直球で空振り三振。続く4番・野村は初球の直球、2球目のフォークと連続で甘く入った球をミスショットした後、3球目の152キロ直球に反応すらできず見逃し三振。相手の配球に「裏をかかれました」では済まされない。
打席に入るまでの準備が足りていないと言わざるを得ない。ソフトバンク・藤井の持ち球は直球かフォークのほぼ2球種。しかも満塁に至るまでに2四球を与えるなど制球も不安定だったことを踏まえれば、狙い球はむしろ絞りやすい状況。無死満塁から連続三振を喫した2人は「ボール球に手を出す」、あるいは「狙い球をしとめ損ねる」といった打者が〝凡退〟となる可能性が高まるスイングを立て続けにやってしまった。相手に上回られたのではなく、自滅で「逃した」と言っていい場面だった。
2試合連続でロースコアを落とした連敗は、やはりこたえる。優勝を目指す以上、やはりこういった接戦をものにできるか否かが大事になるのは、言うまでもないこと。まだ残り試合は十分にある。チームとしても、個人としても勝負どころでの対応は、さらに精度を高めていかなければならない。教訓とすべき1試合になったと言い切れるだろう。
(野球評論家)












