2年ぶりのリーグ優勝と日本一奪回を目指す阪神が一進一退を続けている。21日時点で2位ながら本拠地・甲子園球場では2勝5敗と苦戦。ペナントレースを優位に進めるためには何が必要なのか、野球評論家・柏原純一氏が挙げたキーマンとは――。

【柏原純一「烈眼」】甲子園の7試合で挙げた2勝はいずれも6点以上。その他は全て5点以下でほとんどがロースコアで星を落とした。20日の試合で佐藤輝が2本塁打を放ったように、中軸の一発で停滞ムードを振り払えるに越したことはない。しかし、やはり打線は水物。12球団で最も本塁打が出にくい球場で、打ち勝つだけでは根本的な解決にならないだろう。

 ホームでの分の悪さを解消するためのカギを握るのは、クリーンアップだけでなく脇を固めるメンバーたち。昨季から二遊間のレギュラーとなった中野拓夢内野手(28)、木浪聖也内野手(30)だと感じる。

 木浪は先週のヤクルト、広島戦で立て続けに失策を犯し、2試合でスタメンから外された。心中穏やかではないだろうが、もう何年も一軍で飯を食っている選手だ。自力で失態を取り返す姿を見せなければならない。

 中野もしかり。打率2割5分、出塁率3割1分1厘と物足りない。とはいえ、20日の試合では2番に入り、2犠打を決めて1安打を放った。この3打席の後に、佐藤輝のアーチや適時打が生まれた。このことからも、今後も中野や木浪が任される2番や8番打者の果たす役割がいかに重要かが分かる。

 今後も2人が置かれる打順は上位(2番)か、下位(8番)かの違いがあるだけ。好機拡大や四球などの出塁、〝つなぎ〟が主な任務となることに変わりはない。二遊間の選手だけに「守れる」ことは大前提だが、攻撃面でも果たすべき役割は他の内野手よりも熟知しているはず。日本一に輝いた2年前の岡田政権下では、彼らが縁の下で続けた渋い役割が、複数得点を生み出す装置にもなっていた。

 木浪の代わりに遊撃で出場した小幡は打席で追い込まれた後の対応など、まだまだ課題が残る。一方で2人はキャリアを見ても、もう一軍の試合に出続けてナンボの選手。もう一度奮起し、攻守でチームに流れを呼び込む仕事を期待したい。

(野球評論家)