阪神はキャンプ地の沖縄・宜野座で広島と16日に練習試合を行い、0―11で大敗を喫した。現地で視察した猛虎OBでもある野球評論家・柏原純一氏はどう見たのか。

【柏原純一「烈眼」】新監督の胸中をおもんぱかるしかない。藤川球児新監督(44)率いる阪神と、広島の練習試合を拝見させてもらった。

 スコアは0―11。キャンプ中盤で試合結果は関係ないとはいえ、気になったのは阪神の若手野手陣の物足りなさだ。広島は高卒3年目・内田が4安打5打点、同5年目の二俣が1安打2打点、4年目・末包、中村健の2人がそろって2安打2打点など、盛んにアピールした。それだけに対照的だった。

 広島の先発や中継ぎは一軍当落線上の面々で、試合後半に登板した阪神側の投手は背番号が3桁の育成選手たち。「打った、打たない」の結果だけで論じることは難しいが、藤川監督も多くの若手野手たちに「とにかくいい結果、内容を」との期待を込めてオーダーに並べたはずだ。

 先発組でいえば1、2番の井坪と山田、5番の前川、9番・野口、途中出場した高寺、小野寺、井上ら20代の若手野手たちがそれに該当する。結果は全5安打のうち小幡、野口が1本ずつ。彼らは不動のレギュラーである大山、近本、中野、森下らを脅かさなければならない立ち位置だ。正直、内容的にも寂しいものだった。

 この日、岡田前監督時代から常にスタメンだったのは、3番・佐藤輝ぐらい。私が現役時代の頃、前政権まで控えだった面々は、新監督ともなれば「よしっ、今度こそはレギュラーで」と張りきったものだが…。

 もちろん、この1試合だけで若手野手の成長度をジャッジすることは、指揮官もしないだろう。だが、キャンプもすでに中盤を過ぎた。終盤には前出のレギュラークラスのメンバーがこぞって試合で実戦調整に入る。新政権では、レギュラー陣と控えの実力格差を埋めていく作業が必要となりそうだ。(野球評論家)