パ3位のソフトバンクは8日のヤクルトとの交流戦(神宮)に2―4で競り負けた。セ最下位に星を取りこぼし、痛恨のカード負け越し。交流戦最初の6連戦を4勝2敗で終えたが、チーム内に「好スタート」と捉える空気は一切なかった。

 鷹の絶好調男が首位打者に躍り出た。6年目の柳町達外野手(28)が4打席に立ち、規定打席に到達。この日は最終打席に中前打を放ち、連続試合安打を「7」に伸ばした。打率3割5分6厘で、出塁率4割5分7厘とともに堂々のパ・リーグ1位に立った。

 今季は2年連続で開幕を二軍で迎えた。近藤が開幕わずか3試合で離脱し、入れ替わる形で4月1日に一軍昇格。スタメンに定着したのは4月下旬からで、徐々に打順を上げていった。小久保監督は「外せない選手から、チームをけん引する選手に変わりつつある」と確かな成長を認める。

 2019年ドラフト5位で慶大から入団。生え抜きの巧打者は屋台骨を支える「真のレギュラー」となれるのか――。ホークスの育成に長年携わってきた首脳陣やフロント関係者の中にはこんな考えがある。

「ポジションは与えられるものではなく、奪い取るもの」。簡単につかんだものより、苦しんでつかんだものの方が手放しにくい。その最たる例として球団内で挙げられるのが長谷川勇也(現スキルコーチ)と中村晃。昇降格を分ける勝負どころで結果を積み重ね、キャリアを築いてきた先輩たちだ。2人を尊敬してやまない柳町が今、その系譜を受け継ごうとしている。球団では伝統も重視されるだけに、チーム内でも柳町の立身出世はとりわけ注目されている。

 実力でレギュラーを〝奪い取ろう〟としている柳町。「僕らの世界はそういう世界。評価は他者がするもの。開幕二軍も悔しいとかではなく、自分がやるだけだと思っていた」。何人もの若鷹が壁にはね返されてきた。鷹が待ちわびた「3代目」がレギュラー定着を果たそうとしている。