ダブルエースの現在地は――。フィギュアスケートは17~20日に開催された世界国別対抗戦(東京体育館)で、今季の全日程が終了した。女子で2022年北京五輪銅メダルの坂本花織(25=シスメックス)、男子で同銀メダルの鍵山優真(21=オリエンタルバイオ・中京大)らが華麗な演技を披露。いよいよ来季は勝負の26年ミラノ・コルティナ五輪イヤーとなる。五輪2大会連続出場でプロスケーターの鈴木明子さん(40)が取材に応じ、振付師の視点から金メダルへの道筋を占った。
女子のエース・坂本は、66年ぶりの4連覇を目指した世界選手権(3月、米・ボストン)で銀メダル。ショートプログラム(SP)での失速が響き、大粒の涙を流すも、鈴木さんは前向きに捉えている。「北京五輪後、ずっと勝ち続けてきたプレッシャーはあったと思う。チャンピオンの冠は譲ってしまったが、また追いかける側として、メンタルを切り替えて、また挑戦者として挑めるのでは」とプラスに働くとみる。
今季の坂本は高難度のフリーに挑戦。3回転ルッツを2本組み込み、表現面でも息つく間もない細かな動きで、プログラムの世界観を忠実に描き出した。「シーズン当初は振り付けに追われ、こなすことに精いっぱいの印象もあったけど、後半には自分のものにしていた。最初は難しいのではと思う内容だったが、しっかりとやり遂げた点は見事だった」と高く評価した。
ただ、五輪金メダルにはミスが目立ったSPの正確性を上げることが必須。「SP、フリーともに持ち味である完成度、一つひとつの要素、GOE(出来栄え点)を積み重ねていくことで、演技構成点も評価される。その部分が五輪シーズンでも発揮できれば、きちんと評価はついてくると思う」と指摘する。
「改めてSPの大切さを痛感したシーズンだったと思うが、学びを生かせる選手なので、きっと後から考えれば良かったと思えるシーズンになるのでは」と期待を寄せた。
男子のエース・鍵山は世界選手権で銅メダル。世界国別対抗戦では世界選手権2連覇中のイリア・マリニン(米国)を意識し、SPで4回転フリップの投入を決断。転倒に終わったが、攻めの姿勢は来季につながるという。「ジャンプ構成を決めていくにあたり、ジャンプは実戦で入れてみないとわからない。どんなジャンプを入れるか、来季に向けた試行錯誤が見えた」と分析した。
今季を通じて「滑りが良くなっている分、ジャンプがまだハマっていないのかもしれない」と指摘。それでも「滑りとジャンプ、目指している表現面の成長した部分がかみ合ってくれば、メンタル的な安定にもつながる。4年間で成長した部分がかみ合ってくると、五輪も面白いのでは」と伸びしろはたっぷりだ。ミラノの地でフィギュア王国の底力を示すことはできるか。












