日本ゴルフ界を揺るがす騒動が相次ぐ背景とは――。女子ゴルフの笠りつ子(37=京セラ)が、先週の国内ツアー「Vポイント×SMBCレディス」でルール違反を指摘されて波紋を呼んだ。また、男性キャディーが女子ゴルファー3人と不倫していたと「週刊文春」で報じられるなど、世間の耳目を集める事態が短期間で続いている。今、コース内外で何が起きているのか。男子ツアーを統括する日本ゴルフツアー機構(JGTO)元会長の小泉直氏が、ゴルフ界の問題点を指摘した。
笠は大会2日目(22日)の13番パー4の2打目地点で、レッドペナルティーエリアからの救済で2回ドロップしたが、1回目がインプレーだったことが判明。これがゴルフ規則14・7(誤所からのプレーすること)の違反にあたり2罰打が与えられ、通算1アンダーの7位で大会を終えたが、通算1オーバーの13位となっていた。この事実が日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)から発表されると、賛否両論が沸き起こった。
また不倫報道を巡っては、その1人とされた選手が、今季開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」から今週の「アクサレディス」まで3試合連続欠場中。その一方で、ほかの2人は試合に出続けているが、その動向が注目される格好に。文春は、不倫された選手(男性キャディーの妻)に対するJLPGA理事の不適切な対応も報じている。
こうした騒動に関して公になるタイミングが続いたことで、女子ゴルフ界の人気低下にもつながりかねない事態となっている。だが、ある意味〝必然〟だったとの見解を示したのが小泉氏だ。
「今の日本のゴルフ界は、うまければいい、うまければちやほやされる傾向になっている。本来であれば、ゴルフを始めるにあたり、エチケット、ルール、マナーから入らないといけない」。ジュニア時代からスコアさえよければいいという雰囲気の中で、コンプライアンス意識の低下を感じているわけだ。
その一例として、こんな昔話も披露した。「40年くらい前までは、ハンディキャップシングルになるときには、マナーとかエチケットが乱れていたら、いくらうまくてもシングルになれなかった。技術以外にも人間性がすごく重んじられていたが、その辺が緩くなってしまったせいで、こういうことが起きてしまったんじゃないか」
もちろんJLPGAは新人研修などを行い、選手の意識向上に努めているが、ゴルフ界を覆う〝結果至上主義〟の前では効果も薄くなっているようだ。それだけに小泉氏は原点回帰を提唱する。
「昔は技術とともに精神面や人間性も今以上に重視されていた。ゴルフの根本的精神、繰り返しになるが、今こそエチケット、ルール、マナーをもう一度徹底してもいいんじゃないか。はっきり言うと、今はそういうことが欠けている」
このままでは、今回のような騒動が再び起きてもおかしくはない。当事者だけでなく、ゴルフ界全体の意識改革が求められそうだ。
【騒動の経緯】
笠のルール違反が発表されたのは大会最終日(23日)。当初JLPGAは、視聴者からの指摘がきっかけだったと説明していたが、翌24日に「大会関係者の指摘」に訂正。「事実関係の一部に誤りがあることが判明いたしました。訂正してお詫び申し上げます」と謝罪した。
その後、25日に本人は自身のインスタグラムで「私の認識不足と勘違いからこのような事態になり、深く反省をしています」と謝罪文をアップ。今週は国内ツアー「アクサレディス」(28日開幕、宮崎・UMKCC)に参戦する。
一方、不倫報道に関してJLPGAは報道のあった5日に「選手個人の私生活上の行為については必要がない限り関与しませんが、必要に応じて、事実関係の調査、及び同調査に基づく適切な対応を講ずることを検討いたします」と声明を発表した。
社員総会が行われた17日には、小林浩美会長が「事実を確認して適切な対応を講ずることを検討する。調査結果の公表も検討していく」とコメントしている。













