【グラゼニ球論・金村暁】阪神の新助っ人右腕、ハビー・ゲラ投手(28=前レイズ)のブルペン投球を沖縄・宜野座キャンプで16日に初めて視察しましたが、率直に言って元野手経験者ということで腕の使い方がコンパクト。こぢんまりとした印象を受けました。

 球速自体も現時点で150キロを超えているそうですが、そこまでスピード感や伸びも感じられません。居合わせたアナリストに聞いたところ、彼の直球の回転数は2200前後。平均値を下回る数値ですし、初速と終速に差があるタイプの投手なのかもしれません。

 とはいえツーシーム、スライダーなどの変化球のキレには目を見張るものがありました。特筆すべきはスライダーで、隣にいたジェフ・ウィリアムス駐米スカウトも「米国にいたころはそんなにいいスライダーを投げていたわけではなかった。日本のボールや気候がいい方にマッチしているのではないか」と驚いていたほど。制球力も高そうですし、個人的にはチェンジアップを習得すれば投球の幅が広がるのではないかと考えていますが、全体的な出力が今後上がっていく可能性もあるでしょう。なるべく早めに実戦へ投入し、直球が打者に対してどこまで通用するかを見極めたいところです。課題を洗い出すのは、そこからでしょう。

 チームには、この日から二軍組での独自調整を指示されていた岩崎、岩貞、加治屋、島本らが合流。それぞれが素晴らしい仕上がりをさっそく披露してくれました。桐敷、石井、岡留らの若手ブルペン組の調整も順調そのもの。阪神の中継ぎ陣の質量の豊富さは他球団を圧倒しています。限られた一軍枠を巡る春の競争にも、引き続き注目していきたいところです。

 最後になりますが、さかのぼること数日前に、二軍キャンプ地の具志川球場で、トミー・ジョン手術からの戦線復帰を目指す高橋のブルペン投球を視察してきました。まだまだリハビリ過程の段階ですので安易な言及は慎みたいところですが「マジですっげえヤバい球」を投げていた、とだけお伝えしておきましょう。一日も早い完全復活を心から祈っています。

(本紙評論家)