日本シリーズ第7戦は5日に京セラドーム大阪で行われ、阪神がオリックスを7―1で下し、通算成績を4勝3敗として38年ぶり2度目の日本一を成し遂げた。

 2016年、後に阪神に入団する村上頌樹投手(25)は間違いなく「栄光の17歳」だった。智弁学園(奈良)で春の甲子園優勝投手。全ての高校球児の頂点に立った。

 東洋大をへて、4年後のドラフト会議で5位指名され猛虎の一員に。その時にはすでに1998年世代の〝序列〟は大きく変動していた。一躍、頭角を現していたのは絶対的エース・山本由伸(オリックス)。佐藤輝明(阪神)、牧秀悟(DeNA)も一軍即戦力として台頭する中、村上は長いファーム暮らしを余儀なくされた。

 チームとしても個人としても劇的な飛躍を果たした23年。村上は山本と3度マッチアップした。第1ラウンドは6月13日の交流戦(甲子園)。虎の背番号41は8回2失点と力投するも、今や世代を超えて日本球界最高の右腕と称される山本は、8回零封で虎打線を完全制圧。「粘れなかった。自分の実力です」。格の違いを見せつけられた敗戦投手は試合後、唇をかみしめた。

 第2ラウンドはその137日後。10月28日の日本シリーズ初戦(甲子園)という最高の舞台が訪れた。6回途中を7失点とまさかの大炎上を喫した山本とは対照的に、虎の新エースは7回無失点と完璧なピッチングを披露。推定年俸6億5000万円と750万円の対決を制した。

「リーグが違うのに1年で3度も対戦できるなんて思わなかった」。最後の対決は日本一へ王手をかけたシリーズ第6戦。意地と意地がぶつかり合う対決は1失点完投で勝利投手となった山本の完勝に終わった。

 対戦成績は虎のエースから見て「1勝2敗」。とはいえ日本シリーズは4勝3敗で阪神が制し、村上は自身7年ぶりとなる〝日本一の座〟に返り咲いた。「この経験をどう生かすかは、これからの自分次第。もっと練習していきたい」。サラリーも実力も実績も、いつか必ず最大の好敵手にして〝ラスボス〟に追いついてみせる。