日本シリーズ第6戦(4日、京セラドーム大阪)はオリックスが5―1で逆転勝ち。通算成績を3勝3敗として、勝負は第7戦に持ち越された。本紙評論家・伊勢孝夫氏は5回4失点で敗戦投手となった阪神先発・村上頌樹投手(25)の心理状態に着目。山本と宮城というオリックスのダブルエースの重圧が、村上に普段通りの投球を許さなかったと分析した。

【伊勢孝夫・新IDアナライザー】第1戦ではオリックス打線を7回2安打無失点に抑えた阪神・村上だが、勝てば38年ぶりの日本一となる第6戦では、5回6安打4失点KO。前回登板に比べると、この日はボール球も多く本調子とはほど遠い内容だった。

 おそらく村上の中には「自分が投げる第6戦で決めなければいけない」という気持ちが強かったはずだ。3勝3敗のタイになれば、第7戦のオリックス先発は宮城がくる。宮城には第2戦で6回を無得点に抑えられており、阪神打線にとっては苦手な相手。そういった思いがプレッシャーとなり、いつもと違った投球内容につながっていったのではないだろうか。

 さらに5回表のオリックス先発・山本のピッチングも村上にとっては重圧となったはずだ。この回、山本はギアを上げて中野、森下、大山の阪神上位打線を三振、三振、一邪飛と完璧に抑えた。1―2と1点ビハインドの展開で、相手に先に点を許すわけにはいかないと村上は考えたはずや。平常心をキープするのが難しい状況に追い込まれた結果、5回裏一死二塁から高めに浮いたフォークを紅林に左翼席へ運ばれてしまった。

 村上は球威ではなく、コントロールと配球で勝負する投手。しかし、山本と宮城というオリックスの好投手2人への意識が村上に普段通りの投球をさせてくれなかった。

 これで3勝3敗のタイとなり、勝負は第7戦に持ち込まれた。第7戦の先発は阪神が青柳で、オリックスは宮城。先発投手の名前だけを見ればオリックスが優位な気もするが、阪神も投手陣を総動員してくるはず。正直どちらが勝つか予想は難しいが、第6戦までの流れからミスをした方が日本一から遠ざかるのではないか。(本紙評論家)