破壊王が巻いた、あのベルトが〝復活〟だ! 新日本プロレスと女子プロレス「スターダム」は23日、IWGP女子王座を新設すると正式に発表した。IWGP実行委員会が認定・管理する史上初の女子王座は、初代王者決定トーナメントが開催され、11月20日の合同興行(東京・有明アリーナ)で決勝戦が行われる。取材で同ベルトのデザインを独占入手。〝黄金時代〟を築いた1990年代の新日本を象徴する、2代目IWGPヘビー級ベルトがモチーフとなっていることが明らかになった。


 IWGP女子王座の新設は、7月29日のスターダム戦略発表会で明らかにされた。新日本とスターダムが世界市場に打って出るためのタイトルとされ、海外ファンからは99%以上の賛成を得たという。

 その一方で、歴史と伝統の「IWGP」の文字が入った女子王座へのアレルギー反応も大きく、他のスターダム王座との区別化問題などから否定的な声も多かった。

 この日の会見で両団体のオーナーでもあるブシロードの木谷高明社長は、IWGPの創始者・アントニオ猪木氏の言葉を借り「『一歩踏み出す勇気と1ミリの非常識』を持って新しい時代にチャレンジしていきたい」と所信表明した。

 初代王者決定トーナメントは10月2日の新日本・英国大会で開幕し、両団体の11月20日合同興行で決勝戦が行われる。初代王者は来年1月4日の新日本・東京ドーム大会で初防衛戦が予定されている。両団体のビッグマッチや海外大会で王座戦が行われていくという。

 さらに取材を重ね、同ベルトのデザインを入手することに成功。現在海外で制作中のベルトのモチーフとなっているのはIWGPヘビー級の2代目ベルトだ。

 1997年から2005年まで使用された同ベルトは、最初に巻いた第19代王者の〝破壊王〟こと故橋本真也さんがこよなく愛したことでも知られている。その後は佐々木健介、藤波辰爾、蝶野正洋、スコット・ノートン、武藤敬司、天龍源一郎、藤田和之、安田忠夫、永田裕志、髙山善廣、天山広吉、中邑真輔、ボブ・サップ、小島聡ら歴代の名レスラーたちが巻いてきた。

 ブロック・レスナーの3代目ベルト持ち逃げ事件により06年から再び代用されたが、08年に中邑が2本のベルト統一に成功。役目を終えた2代目は中邑から橋本家に寄贈されたドラマがある。

 IWGP実行委員会はデザインの理由について「IWGPという名称の通り、歴代のベルトを参考にした。2代目は90代の象徴ですし、やっぱりファンの思い入れも強いじゃないですか。オールドファンの方にも納得いただけるものを作って、選手にもそれに見合う戦いを見せてほしいという期待を込めてですね」と明かした。

 ちなみにスターダムのロッシー小川エグゼクティブプロデューサーによると、昨今の円安の影響もあって、ベルト制作費は他のスターダム王座よりも高価だという。

 初代王者決定トーナメント出場に名乗りを上げている岩谷麻優(29)は「スターダムといえば星のマークが多いので、IWGPも星になるのかな、どうなるのかなって思っていた。2代目はすごい人たちが巻かれてきたものだし、その意味を知ったらIWGP女子王座ってこんなに重くなるんだなって。歴史と伝統をすごく感じます」と感激の面持ちだ。

「より魂が入るようになりました。新しいベルトだから欲しいのではなく、このベルトを岩谷麻優が巻いて新たな歴史をつくるんだという決意が強くなりました」

 プロレス界の歴史、伝統、権威を象徴してきたIWGPが冠された王座が、女子プロレス界に誕生する意義は大きい。