全米ドラ1右腕として鳴り物入りで2019年にソフトバンク入りしたカーター・スチュワート投手(22)は、入団3年目の今季、ついに一軍デビューを果たした。先発4試合を含む11試合に登板して0勝2敗、防御率6・08。数字こそ振るわなかったが、初先発した8月15日の日本ハム戦では5回無安打無失点の快投を見せるなど、潜在能力の高さを証明した。

 昨年までは球団の育成方針もあって、ファームで地道に日本野球にアジャストしてきた。日本文化へのリスペクトがもともと強く、日本語習得への意欲も成長を後押しした。

 郷に入っては郷に従え――。それが成功への近道だと、あるスーパースターの振る舞いを見て確信したという。それはメジャー中継で見た大谷翔平(エンゼルス)が、ベンチでチームメートと触れ合う姿だった。「大谷を見ていると、積極的に英語やスペイン語をマスターしようとしているのが伝わってくる。常に通訳を介すのではなく、1対1でコミュニケーションを交わすことも大事。僕もマウンドで直接、捕手ともっとコミュニケーションを取りたい。それは日本で野球をうまくなるためでもあるし、せっかく日本に来たんだからマスターしたいんだ。だから勉強しているんだ」

 早口でなければ、通訳なしで簡単な会話は成立する。ヒアリングができるようになると「日本語ドリル」を購入。今春からカタカナ、ひらがなの読み書きにもトライしていた。「カタカナって、かっこいいよね」。愛用のシューズは自らメーカーに特注。「カーター」「スチュワート」と名前を入れてもらった。

 なぜ大谷が渡米4年目で現地で受け入れられ、メジャーで歴史的な活躍を見せたのか。少なくともスチュワートはその理由を理解しているようだった。大谷の話を聞いた際、スチュワートはこう聞き返してきた。「ゴウニ…? イレバァ…? シタガエ…?」。4年目の飛躍が楽しみだ。(ソフトバンク担当・福田孝洋)