オリックスは29日のソフトバンク戦(京セラドーム)を5―4で競り勝ち、首位をがっちりキープした。1点ビハインドの8回に中前逆転打を放ったシーモアは「日々感覚がよくなってきている。このままシーズンを駆け抜けたい」と笑顔で声援にこたえ、岸田監督は「守備も走塁も積極的にやってくれている結果。みんなが必死でやっているからこそバランスが整っている」と手ごたえを口にした。

 3、4月を終え、最多タイの貯金7。特にホームで12勝2敗と圧倒的な強さを見せている。宮城、山下と左右のエースをケガで欠き、野手も広岡、頓宮、杉本らの主力が不在。にもかかわらず、首位快走の理由を首脳陣はどう捉えているのか。あるコーチは「誰かがいなくなるとチャンスが増える。不調だけじゃなくてリフレッシュだったり、休ませるケースもある。いつか順番が来る、と思って二軍の選手を含めて準備をしている。みんなが意気に感じ、任されることを自信に変えている」と見ている。

 そんな中で若い選手がチャンスをつかみ、5年目の渡部遼人(26)がスタメン抜てきで3割9分1厘。投手では5年目の椋木蓮(26)が10試合連続無失点を続けるなど、11試合にリリーフ登板して防御率2・53と岸田監督の期待にこたえている。

 加えてオリックスの歴代監督は日替わりオーダーが特徴的な采配となっており、選手は常に気を抜けない環境がある。特にリーグ3連覇を果たした中嶋前監督(現SD)は全体練習をタイトにしたり、投手なら連投を控えるなど選手の体調面に神経をとがらせた。岸田監督にも〝中嶋イズム〟がレガシーとして残り、主軸がスタメンを外れるケースは少なくない。

 選手はいつ出番が回ってきてもいいように状態を整えておく必要があり、同時に「いつ取って代わられるか分からない」危機感も生まれる。日ごろの鍛錬なくしてチャンスをモノにできない。そんな意識の高さがオリックスの自力につながっていると言えそうだ。