オリックスの〝ネクスト由伸〟が、次々とMLBスカウトの注目リストから消えている。今やドジャース・山本由伸投手(27)が世界に誇るスターOBとなり、育成法を含めて次なる人材がMLB関係者の関心を集めてきたが、左腕エースの宮城大弥投手(24)が左肘内側側副靭帯損傷で登録抹消。長期離脱は避けられない状況で他の〝メジャー予備軍〟とともに軒並み評価が急落しており、MLB関係者からは深いため息も漏れ始めている。一体何が起こっているのか――。

 宮城はカブス・今永と同タイプとして高く評価されてきただけに、MLB関係者の間からは「今度のケガでリセットされてしまった。何よりWBCに選出されているというのが大きかった。日本を代表する投手だったということ。投げられなくなったということは去年までの実績は関係なく、評価が白紙に戻ったということ」と残念がる声が聞かれる。

 いかにストレートが速く、変化球がキレていても一度投げられなくなった時点で意味はなく「今の日本のトッププレーヤーの年俸を1勝で稼ぐような世界。それだけの大金が動くことを思えば何より健康面が大事になる。いい結果を何年も続けないといけない」というわけだ。

 オリックスには他にも160キロの剛速球を繰り出す山崎颯一郎投手(27)が将来的なMLB挑戦の夢を公言し、2023年にリリーフとして53試合に登板して3連覇に貢献。WBCにも選出されてMLBスカウトの熱視線を浴びたが、翌24年の春季キャンプで右肩や背筋を負傷し、7試合の登板にとどまった。昨年も28試合登板と一軍定着はできていない。

 また、高卒3年目の23年に9勝を挙げて新人王を獲得し〝新怪物〟として将来を嘱望された山下舜平大投手(23)も最速161キロを誇り「将来的なことを見込んでデータを集めておく必要がある」とMLB関係者の目をクギ付けにしたが、こちらも腰痛に苦しんで翌年から失速。現在も右ヒジのコンディション不良でリハビリを続けている。

 いずれも素材は一級品ながらケガで〝MLB予備軍〟としての評価を落とし「お金の高騰で以前より何倍も見る目が厳しくなっている」とMLB関係者。6年間を第一線で投げ続け、3年連続投手4冠を獲得した山本のすごさが改めて思い知らされる。

 チームは15日の西武戦(京セラ)に3―1で快勝し、2連勝。貯金を2とし、単独3位に浮上した。苦しい台所事情の中でも白星を積み重ねているからこそ、なおさら将来を託された剛腕候補たちの不在が重く映る。山本という成功例を生んだオリックスだけに、メジャーの扉を次にこじ開ける投手が誰になるのか。MLBスカウト陣は、引き続き注視している