大砲が湿れば、例えドジャースと世界一を争った昨季ア・リーグ王者であっても一気に採点不能の現実へと転落する。米スポーツ専門局「ESPN」電子版は12日(日本時間同日)、今季のMLBで期待を裏切っている主力選手とチームをピックアップし「採点表」として辛口診断する特集記事を掲載。マチャド(パドレス)を「もはや一流打者ではない」と評し、タティス(パドレス)も「ジュニアシングルスヒッターに転向した」とバッサリ切り捨てただけでなく、レッドソックスに対しては「もう終わりだ」と突き放したうえ、メッツにも「本当にダメだ」と容赦ない寸評を並べた。その中で選手とチームの両面から〝同時被弾〟したのがブルージェイズだ。

 名指しされたのはウラジミール・ゲレロ内野手(27)。同メディアは「もはやスラッガーではない」と刺激的に切り込み、11日(同12日)現在で打率2割8分2厘、出塁率3割7分5厘を残しながら、本塁打はわずか3本、長打率3割6分5厘に沈む現状を問題視した。昨季はドジャースとワールドシリーズを争ったチームの主砲として、本塁打と長打を量産することが当然視されていたはず。ところが、単打を重ねるだけではトロント打線の迫力不足は埋まらないというわけだ。

 ゲレロ本人も5月に「調子が良くない。今はただ、一球を思い切り打つことだけを考えている」と苦悩を口にしたが、記事ではその後も21試合連続で本塁打が出ていないと指摘。もっとも、ESPNの結論は「このまま終わる不振ではない」というものだった。長い本塁打欠乏期を経て一気に量産した例もあり、復調そのものは見込んでいる。

 より深刻なのは、チーム全体への判定だ。ブルージェイズ打線は1試合平均得点が昨季の4・93点から今季4・07点へ急落。長打率も1割6分2厘から1割3分6厘へ落ち、同メディアは「ラインアップは問題」と断じた。高いコンタクト率は維持しているが、肝心の一撃が足りない。長打不足はゲレロ一人の責任では済まないという評価だ。

 その中で岡本和真内野手(29)はメジャー1年目ながら同日現在、チーム最多13本塁打を記録するなど存在感を示している。ただ、同記事は高打率タイプだったビシェット(メッツ)の穴を完全に埋める存在とは見ておらず、岡本の奮闘だけで昨秋の勢いを取り戻せるほど甘くないという見立てだ。

 米データサイト「FanGraphs(ファングラフス)」の予測では残り試合の得点力は改善される見通しだが、それでも平均をわずかに上回る程度。昨季ドジャースと頂上決戦を演じたブルージェイズが再浮上するには、岡本の一発以上に、やはりゲレロが〝本物の大砲〟へ戻れるかが最大のカギとなる。