夢舞台で手にしたのは、3本の安打だけではなかった――。29日の「マイナビオールスターゲーム2026」第2戦(富山)に「7番」で先発出場したトレイ・キャベッジ外野手(29=巨人)が球宴初安打を含む3安打をマーク。祭典を楽しみながら、自身を成長させるヒントも貪欲に探し求めた。
4回に大津(ソフトバンク)から右翼線二塁打を放って球宴初安打。5回は右前打、フル出場した9回には岩城(西武)から左中間二塁打を放ち、5打数3安打と打ちまくった。試合後は「普段、敵としてやっている選手たちと仲間として戦えたことが一番うれしかったです」と充実の時間を振り返った。
ただ、笑顔の奥には張り詰めた思いもあった。今季は6月の打率が1割6分3厘、7月も2割2分4厘と本来の打撃にはほど遠い。28日の球宴第1戦(東京ドーム)も3打数無安打に終わっただけに、「ようやく一本出て、ホッとした部分がありました」。言葉には後半戦へ懸ける決意がにじんだ。
だからこそ、球宴は「楽しむだけ」の場ではなかった。第1戦前のホームランダービーで、メジャーからも熱視線を浴びる佐藤(阪神)が打席に立つと、ベンチのキャベッジはスマートフォンを手に、その打撃フォームを一心不乱に撮影。時折うなずきながら大切な〝資料〟を収め、同じ左打者でプレースタイルも重なる虎の主砲から、一つでも多くのヒントを得ようとしていた。
巨人関係者から日本人顔負けの探究心と熱血漢ぶりに太鼓判を押される助っ人は、球宴前から「リスペクトしている選手がたくさんいる。彼らの考え方やプレーに対する姿勢を積極的に吸収したい」と目標を設定。「いろんな選手と交流したいんですけども、特に阪神の選手と交流したいなという風に思います」と、セ王者の猛虎軍団に熱い視線を向けていた。
「前半戦の最後、苦しんだ部分はあったので、あれよりマシなバッティングをしなければいけないのは自分でも分かっているし、この経験を糧に後半戦も頑張りたい」。碧眼(へきがん)に焼き付けた一つひとつの経験が、巻き返しへの糧となりそうだ。













