打つだけがスターではない――。「マイナビオールスターゲーム2026」第2戦(29日・富山)で、全セの佐藤輝明内野手(27=阪神)が2夜連続弾。豪快な打棒と仲間への気配りで、心身両面の成長を焼き付けた。
主役の座は、バット一本でつかみ取った。佐藤輝は「2番」でスタメン出場。1―0の3回二死、高橋(西武)が投じた148キロのシンカーを豪快にフルスイングした。高々と舞い上がった打球は左翼席へ一直線。前夜の東京ドームに続く2夜連続、昨年の第2戦からは球団史上初となる球宴3試合連続の一発に、富山のスタンドは大歓声に包まれた。
試合後は「ホームラン出たんでね、満足です。逆方向は狙ってなかったですけど、いい風が吹いてくれてよかったです」とご満悦。ご当地名物にも触れ、「富山ブラックを食べたんで打てたんじゃないですか」と冗談交じりに振り返った。
昨季は40本塁打、102打点で2冠王を獲得。今季も前半戦をセ・リーグトップの打率3割1分9厘で折り返し、猛虎打線をけん引している。その豪快な打棒だけでなく、周囲への気配りにも成長がにじむ。プレーの外でも堂々たる存在感を示し、名実ともにスターへ変貌を遂げつつある。
試合前のホームランダービー決勝では、同学年の細川(中日)に2―3で惜敗した。それでも初優勝を飾ったライバルを笑顔で祝福。勝敗を超えて相手をたたえる姿にも、虎の主砲としての風格が漂った。
仲間への思いやりを示したのは球宴だけではない。24日の巨人戦(甲子園)では、1―0の9回二死三塁から先発の才木浩人投手(27)が、完封勝利まで〝あと1球〟に迫りながらダルベックに逆転2ランを浴びた。右腕がマウンド上で立ち上がれず、スタンドに悲鳴がこだまする中、真っ先に歩み寄ったのが佐藤輝だった。
うなだれる同級生に声をかけ、最後は背中をポンとたたいて守備へ戻った。「あれは誰も責められないし、すごく気持ちも分かるので。(才木は)すごく気持ちが強いだけに、本当に悔しかったんだなと」と思いやり、「もちろん同級生として(チームを)一緒に盛り上げていきたいですね」と決意をにじませた。
大舞台で勝負強さを発揮するだけでなく、仲間の痛みにも寄り添う虎の背番号8。チームを引っ張る自覚と責任感を身につけ、球界を代表するスーパースターへの階段を着実に駆け上がっている。












