勝負どころの一瞬が、反撃ムードをのみ込んだ。中日は29日のDeNA戦(バンテリンドーム)に2―4で敗れ、連勝は「4」でストップした。借金は10となり、再び2桁の大台に逆戻りした。

 2点を追う9回、バンテリンドームがため息に包まれるプレーが飛び出した。一死一、三塁の場面で、代走で出場した尾田剛樹外野手(25)が0―1から盗塁を試みたものの失敗。盛り上がりかけていた反撃ムードは一気にしぼんだ。

 試合後、尾田は「初球は待てのサインが出ていた。2球目から(チャンスがあれば)いこうかという話はしていた。(DeNA・山﨑は)けん制があまりない投手。ただ冷静に考えたら初球ストライクで(相手バッテリーに)余裕がある中であそこは走るべきではなかったのかな」と反省の弁を述べた。

 盗塁の判断は尾田に一任されていたようだが、絶対に失敗が許されない場面でもあった。井上一樹監督(54)は「うーん、こちら側は行けるタイミングでというような形のものもあるんだけども、状況の判断とかも、もう少しできればね」と渋い表情。そして「今は諸事情もあって、走り屋の選手は少ないので彼に対するポジションも限られてくる。それも含めてこちら側が指示をもう少し明確にしてあげればよかったのかなと思います」とも続けて語った。

 尾田は10日の阪神戦(バンテリンドーム)で逆転負けにつながる失策を犯し、11日に登録抹消。25日に再び一軍昇格したが、その背景には外野を守れる選手に故障者が続出している苦しいチーム事情もある。

 開幕前には上林が右ヒザ付近を痛めて戦線離脱。開幕後も岡林、樋口(登録は内野手)、花田、ブライト、川越が次々と故障禍に見舞われ、外野陣は手薄な状況が続いている。昨年オフに外野守備のスペシャリストだった後藤駿太氏(昨年限りで現役引退)へ戦力外通告を行ったことも、ここにきて響いている形だ。

 1点差を争うゲームを制するには、守備固めや代走の働きが重要になる。試合終盤のミスをいかに防ぐか。借金返済へ向け、中日は勝負どころの精度をあらためて問われることになった。