【赤坂英一 赤ペン!!】DeNA・三浦大輔監督は先輩たちの〝猛ゲキ〟にどう応えるのか。17日の試合前、元監督の中畑清氏、ラミレス氏が始球式に登場。得意のトークでスタンドを沸かせた後、最下位に沈んだチームと三浦監督に対する注文と期待のほどを語った。

〝三浦野球〟とはどういう野球だと思うか、と聞かれた中畑氏は「それがあればここ(最下位)にはいないよ。来年から見つけるんじゃない?」と、こう指摘している。

「とにかく投手陣の整備が一番の急務でしょう。打線は素晴らしい成績を残してるんだからね。(元投手の三浦監督の)持ち場から言ったら、大輔の腕の見せどころですよ。そこに期待したいね」

 その隣で、ラミレス氏はこんな助言を送った。

「三浦監督は今年1年目で、いろんな戦略を立て、試行錯誤してやってきたと思う。チームには去年までのスタイルがあり、1年目で100パーセント変えるのは難しい。思うようにいかないことも多かっただろう。今季課題だった部分(投手陣)を持ち味に変えれば、必ず結果はついてくると思うよ」

 確かに、今季のDeNAは投手陣が崩壊状態である。先発陣は今永、東が手術の影響で出遅れ、平良、阪口、新人の入江も次々に故障。リリーフ陣も守護神の三嶋、山崎らが不調のため、三浦監督も「流動的にやっていく」とその場しのぎにならざるを得ず。チーム防御率は12球団唯一の4点台となっている。

 しかし、投手陣の整備を求めた中畑氏、課題の解消を助言したラミレス氏も、投手起用に長けていたわけではない。中畑監督時代(2012~15年)のチーム防御率は、4年中3年でリーグ最下位。ラミレス監督時代の5年間も5位が3度、4位が1度。どちらも最高は3位が各1年ずつだ。

 要するに、DeNAの弱体投手陣は中畑、ラミレス監督時代からの〝負の遺産〟。この日も投手6人を注ぎ込みながら、7失点でヤクルトに惨敗だ。それでも、三浦監督は先発して6回3失点の京山に光明を見出した。

「攻め立てられたところでバタバタっといかなかったのは成長した部分かなと思う。(捕手の山本)祐大のリードも、ふたりでよく考えながらやっていたな、と思います」

 こうやって若い投手の成長を辛抱強く見守り、根気良く指導していくのが〝三浦野球〟なのかもしれない。来年は中畑、ラミレス監督時代以上の若くて強力な投手陣をつくってほしいものだ。

☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。日本文藝家協会会員。最近、Yahoo!ニュース公式コメンテーターに就任。コメントに「参考になった」をポチッとお願いします。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」(講談社)など著作が電子書籍で発売中。「失われた甲子園」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他に「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。