DeNAの宮崎敏郎内野手(32)が29日のヤクルト戦(神宮)で2打席連続アーチを放った。2回に通算100号となる今季14号ソロ、3回には15号3ランを放つと、チームも7―5で逃げ切って連敗を7でストップ。2本塁打4打点でヒーローとなった背番号51はプロ9年目での通算100号到達に「僕だけの力では達成できない。裏方さん、監督、コーチに助けられてできた」と感謝の言葉を口にした。

 2017年に首位打者に輝き、18年にはゴールデン・グラブ賞、ベストナインにも2回(17、18年)選出されるなどチームにとって欠かせない攻守の要。今季も全123試合に出場し、打率2割9分9厘、15本塁打、66打点と存在感を示している。

 そんな「ハマのプーさん」とも呼ばれる看板選手の去就が今オフ、注目されている。6月末に国内FA権を取得。宮崎本人は球団を通じ「今はシーズン中ですので、チームのため一試合一試合勝利に貢献できるよう頑張りたいと思います」とコメントし、現段階で胸中は明かされていない。だが、権利行使となれば、争奪戦がぼっ発するのは必至。球団内からも宮崎に関しては「当然ベイスターズにとって必要な戦力であり、来年以降も残ってほしいと誰もが考えている」との声が飛び交う。

 宮崎の推定年俸は1億7000万円。FA移籍すれば人的補償を伴うAランクとみられ、球団周辺でも「資金力豊富な球団が興味を示しそうな気配がある」との警戒感が強まっている。

「宮崎は三塁だけでなく過去には二塁、一塁もコンスタントに守っており、万能な内野のユーティリティーだけに魅力を感じる球団は多い。それに佐賀出身の宮崎が国内FAを機に『故郷に錦を飾りたい』と今後の野球人生を考え直すとするならば、おのずと移籍候補先は限定されてくる」(球界関係者)と、宣言すれば「ソフトバンクが手を挙げるのではないか」との見方もある。

 昨オフはFA権行使によって梶谷、井納が巨人へダブル流出。主力の去就はチーム編成に大きな影響を及ぼすだけに、DeNAは今オフも再び〝生え抜き戦士〟の引き留めに全力を尽くすことになる。