楽天・田中将の “長所” 利用して再攻略した日本ハム 他球団もマネできるのか

2021年05月10日 05時15分

日本ハムに連敗となった楽天・田中将

 抜群の制球力は、ときとしてアダにもなるようだ。楽天・田中将大投手(32)は8日の日本ハム戦(札幌ドーム)で今季最長の7回を投げ、今季ワーストの8安打4失点で2敗目(2勝)を喫した。今季の黒星はいずれも日本ハム戦で、対戦防御率5・75と冴えない。

 舞台となった札幌ドームはプロ2年目の2008年から8連勝中と好相性を誇っていた。田中将は「相手投手(上沢)がいい投手なだけに、試合が始まっていきなり初回に2点奪われて、となると苦しくなる。そういう形を作ってしまったのはいけなかった」と反省。初回に杉谷の右前打から近藤、王柏融に2本の適時二塁打を許して追う展開にしたことを悔いたが、具体的にどこが問題だったのか? 本紙評論家の大友進氏は「マー君のボールの質は相変わらず別格レベル」とした上で、こう分析した。

「初回にフルカウントからの8球目を打った近藤の先制打やカウント2―1から4球目を中越え二塁打した王柏融以外は、ほぼファーストストライクを狙い打たれている。これは田中将の制球力が高いがゆえの事故のようなもの。基本的にあのレベルの投手に対しては、2ストライクに追い込まれてしまったら負け。だから打者は、なかば開き直って早いカウントからストライクを打ちにいける」

 そうは言っても簡単に打てる相手ではない。ファーストストライクを積極的に狙うとして、どんな対処の仕方をするのか? 大友氏は言う。

「ストライクゾーンを9分割して自分の打てないゾーンが4つあるとしたら、その4か所を捨てて球種、またはコースにヤマを張って決め打ちしていけばいい。4回の3安打(中田、王柏融、宇佐見)は全部初球の入り球をある程度絞って打ちに行った結果。5回の近藤の本塁打も初球のカーブを完璧にとらえている。通常1試合に数球しか投げないカーブという球種にヤマは張らないもの。ただ、相手が打てなくて当然という投手で、かつ制球力が高い場合、そういう思い切った絞り方ができる」

 いつストライクが来るか分からない荒れ球投手よりも、初球は変化球できっちりストライクを取りに来る田中将だからこそ起きた〝事故的〟な8安打4失点という見立てだ。

 他球団も同様の攻め方で田中将を沈めることができるのか? 大友氏は「個人的には田中将の状態が悪いようには見えなかった。高いレベルでゾーンの出し入れができる分、シーズントータルで見れば必ず結果を残すはず」。次回登板でどんな投球を見せてくれるのか楽しみだ。

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