DeNAのタイラー・オースティン外野手(28)に球団内から「レジェンド超え」が期待されている。

 9日の広島戦(マツダ)では、10試合ぶりとなる3号2ランを含む3安打猛打賞。8回に左翼席上段へダメ押しの豪快アーチを叩き込んだ新助っ人は「打った瞬間、本塁打になると思った。最近、ボール球に手を出すことが多かったので、ストライクゾーンにきたボールをしっかり振り抜くことを心がけた」とコメント。チームの勝利に大きく貢献した。

 ヤンキースなど4球団を渡り歩いたMLB通算17本塁打の元メジャーリーガー助っ人は今季からチームに加入。ここまで打線の主軸として打率3割4分、3本塁打、13打点(9日現在)をマークし、首位争いを繰り広げるチームの原動力となっている。ラミレス監督も「今まで見た中で一番理想的なバッター」と絶賛しているほどだ。

 そんな新助っ人は8日の試合から、開幕前からたくわえていた口ひげをそり落としてしまったが、その口ひげ姿は「往年のレジェンドをほうふつとさせる」と、球団内では話題となっていた。1980年代後半に活躍した球団のレジェンド助っ人、カルロス・ポンセ氏(61=現台湾・味然ドラゴンズ打撃コーチ)だ。

「ポンセも同じ口ひげでチームの人気者だったけど、意外にそっくり。同じ右の大砲で広角に打ち分けられるアベレージヒッターだったり、謙虚な性格で愛妻家という私生活の面においても共通する部分が多い」(球団関係者)

 1986年から90年まで大洋(現DeNA)でプレーしたポンセ氏は本塁打王、2度の打点王に輝いただけでなく、その容姿が当時記録的なセールスを誇ったゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」のマリオに似ていたことでもファンから人気を集めていた。

 一方のオースティンも打棒爆発に加え、ヒーローインタビューでは「ヤッタ!」の日本語もおなじみになり始めるなど〝愛されキャラ〟としてファンの支持も集めつつある。この勢いのまま、人気・実力ともにポンセを超えるレジェンド助っ人となれるか。そして再び、口ひげをたくわえる日がくるのか、注目だ。