いよいよ深紅の大優勝旗が見えてきた。第104回全国高校野球選手権大会(甲子園)は20日に準決勝を迎え、第2試合で下関国際(山口)が今春センバツ準優勝校の近江(滋賀)を8―2で撃破。同校としては史上初、山口県勢としても37年ぶりとなる決勝進出を果たした。1958年に柳井が全国制覇を成し遂げて以来64年ぶり2度目の県勢優勝まであと1つに迫り、22日の決勝戦では仙台育英(宮城)と対戦する。
勝利への執念が流れを渡さなかった。初回一死二塁から3番・仲井慎(3年)の左前適時打で幸先よく先制。3回に1点を加えた後、その裏に同点とされるも6回一死満塁から森(3年)が2点打を放って勝ち越しに成功した。7回にも仲井がこの日2打点目となる中犠飛を決め、プロ注目の好投手・山田(3年)に力負けせず計5点を奪ってマウンドから引きずり降ろした。相手エースの速球に対応するため、各打者がバットを短く持ち、ノーステップで打席に立つなど徹底した「山田対策」も功を奏した。
打線はなおも攻撃の手を緩めず、8回にも2番手・星野(3年)から橋爪(3年)の適時三塁打と2つのスクイズで3点を奪い、リードを6点に広げて突き放した。
投げては2回無死一、二塁から登板した2番手・仲井がロングリリーフで8回を130球、2失点8奪三振に抑える力投。バットを振って活躍しただけでなく、制球の定まらない先発のエース・古賀(3年)に代わって序盤のピンチでバトンを引き継ぎ、遊撃のポジションからスイッチするとマウンド上でも持ち前の強心臓で近江打線を相手に臆することなく最後まで堂々の投球を見せた。
投打に加え、遊撃と〝三刀流〟をこなしてヒーローとなった背番号6は「決勝戦に進めたのが一番うれしい。自分たちの粘り強い野球ができたと思う」と喜びを爆発させた。試合後に坂原秀尚監督(45)が「(これまで)まったくなかった」と明かした2回途中からの早期継投リレーについても「自分は試合前に肩を作ってショートの守備に就いているので普段と変わらなかった」と冷静に振り返った。
坂原監督は「本当に選手たちの成長に驚いている。県大会から、そして甲子園でも一試合勝ち上がるごとに今まで見たことのない力を発揮してくれている」と目を細めた。
今大会では準々決勝で今春センバツ優勝の大阪桐蔭を破り、この準決勝でも準優勝の近江を下した。2005年に同校監督に就任した指揮官はかつて部員が足りず存続困難とまでいわれた野球部を懸命に建て直し、ついに日本一を争う大舞台へ辿り着いた。
「いつかはこの舞台に下関国際高校を引っ張って立ちたいと思っていた。非常に感慨深いものがあるが、ここまで来たチャンスを今いる生徒たちとOBたちとともに戦いたいなと思う」
熱血漢あふれる坂原監督は目を輝かし、力強い言葉で誓っていた。












