阪神・藤川球児監督(46)が球界に一石を投じた。29日の巨人戦(甲子園)に4―1で勝利したが、もっか本塁打王の森下翔太外野手(26)が死球を受け、まさかの途中交代。虎将は試合後、選手を死球から守るためのプロテクター導入を日本野球機構(NPB)に提案していたことを明かした。
3点リードの7回だった。一死から巨人3番手・赤星の148キロのシュートが森下の左手首を直撃。その場でしゃがみ込み、苦悶の表情を浮かべた。
指揮官はすぐさまベンチを飛び出し、コーチ陣とトレーナーも森下のもとへ。和田コーチに付き添われてベンチ裏へ下がり、治療を受けたものの代走を送られて途中交代となった。
その後は左手首にアイシングを巻いた状態で、試合中にクラブハウスへ引き上げた虎の主砲。西宮市内の病院を受診し、「左前腕部の打撲」と診断されたことが球団から発表された。
ヒヤリとするアクシデントを受け、藤川監督が明かしたのが死球による故障を防ぐための〝秘策〟だった。「4月の段階からプロテクターを自分がメーカーに問い合わせて制作して。それをNPB全選手に、肩甲骨から手首からっていうところをどうでしょうか?とNPBに提案をして。実際に制作もして、これは全球団の選手を守るためでやってはいたんですけど、やっぱりなかなか許可が出なかった」
きっかけは指揮官の趣味でもあるスノーボードだったという。競技を通じてプロテクターを扱うメーカーと接点があり、野球でも選手を守る防具が必要ではないかと考えた。「スノーボードが趣味だったんで、その時にメーカーさんの方と出会ってて。それを手首とかその辺りのところで。やっぱりスノーボードって体を特に痛めることが多かったので、それで『プロテクターが野球はないんです』っていう話をしました」
投手出身だからこそ死球を投げた側だけの責任にするつもりもない。NPBでは球場によってマウンドの土、傾斜などの環境が異なり、投手が感覚を合わせる難しさもある。「どうしても攻めなきゃいけないし、だけど投球側から見ても、マウンド系のブルペンの土や諸々が全く日本は違うんで」と力説した。
だからこそ大事故が起きてからではなく、選手を守るための備えが必要だと考えている。リーグ統括とも話し合い「全球団に、もしできれば選手たちを守れるかもしれません」と提案したという。
もちろん自軍だけの問題ではない。12球団すべての選手を守り、死球をきっかけとした不要なトラブルを減らしたいとの思いがある。「(死球は)選手の責任でもないし。プロテクターを、もし導入してもらえればなと。選手が故障するのも、グラウンド上でチーム同士が争い事になるのも、この時代なので全く求めてないんで」と力を込めた。
森下のアクシデントによって、またも浮き彫りになった死球の危険性。虎将が4月から水面下で進めていた〝プロテクター提案〟は球界全体を巻き込む議論へと発展するか――。












