満身創痍でも、追撃の灯は消さない。日本ハムは26日の西武戦(ベルーナ)に9―1で大勝し、連敗を3で止めた。体調不良の加藤に代わって前倒しで先発した達が9回1失点で完投。3位のチームは2位・西武との直接対決を制し、ゲーム差を3に縮めた。シーズン最終盤で上位を追う中、意地を見せた格好だ。
その一方で、チームは今、まさかの「主力大量離脱」に見舞われている。21日に主軸の万波が下半身のコンディション不良で一軍登録を外れると、生田目も左内腹斜筋肉離れで同日に抹消。翌22日にはリーグ屈指の俊足を誇る五十幡も右足関節打撲で戦列を離れた。さらに26日には、6月19日のソフトバンク戦(エスコン)を最後に9戦連続で白星から遠ざかっていたエース・伊藤まで一軍登録を抹消された。
これで主力4人が相次いで離脱。リーグ最多タイの11勝を挙げる加藤に加え、水野も体調不良で万全ではない。逆転Vを願ってきたファンが気をもむのも無理はない。
確かに8月に入っての失速には、こうした戦力事情も無関係ではない。だが、この状況を必要以上に悲観するのは早計だ。一連の動きからは、むしろ先を見据えたチームの戦略が透けて見える。日本ハムは今季、シーズン序盤から新庄剛志監督(54)の号令の下、「故障者撲滅」を徹底。ナインに自己管理を促し、故障の芽を早めに摘むことに力を注いできた。万波の抹消についても指揮官は「ちょっと(万波は)ヒザがね。先に治そうということで」と説明。五十幡についても「痛みをかばって、違う箇所が張ったり、疲労がたまったりするのが嫌なんですよ」と、無理をさせない方針を強調している。
伊藤もソフトバンク、西武といった上位勢を相手に登板を重ね、約2か月も勝ち星から遠ざかっていた。心身をリセットする意味でも、このタイミングでの再調整は決して不自然ではない。
目先だけを見れば「緊急事態」。だが、26日の大勝が示したように、主力を欠いても戦える力はある。終盤戦を最後まで走り切るための〝休ませる勇気〟ならば、相次ぐ離脱もまた新庄流の勝負手と言えそうだ。












