虎の足元が、夏の終わりにきて揺らぎ始めた。阪神は26日の中日戦(バンテリン)に0―4で敗れ、2連敗。中日先発・涌井の老かいな投球術に翻ろうされた虎打線は今季7度目のシャットアウト負けを喫した。下位・中日にまたも星を落とし、敵地で痛恨のカード負け越しが決定。2位・巨人とのゲーム差は、1・5まで縮まった。

 内容よりも目先の1勝がノドから手が出るほど欲しい季節――。にもかかわらず、守備のほころびが攻守に重苦しい空気をもたらした。先発・伊藤将が初回、先頭の福永に中前打を許し、無死一塁となった場面でいきなりミスが生じた。続く上林の当たりは三塁への打ち取った打球だったが、ホットコーナーを守る佐藤の一塁送球が乱れ、白球はファウルゾーンを転々。森下のカバリングも遅れ、一走・福永の生還を許した(記録は上林の三塁内野安打と佐藤の悪送球)。

 CS進出へ向けムードを上昇させている中日は、このラッキーな先制点で勢いづき2夜連続の虎狩りに成功。一方の阪神は拙攻も重なり、最後まで本塁が遠かった。

 試合後の藤川球児監督(46)は「ミスしようと思ってやっているわけじゃないし、必ずこういう時はありますから。いかにチーム全体、それから個々が気持ちをしっかり持って明日に向かうかというのを問われるのがプロの世界ですから」と語った。その口ぶりは終始平静。だが問題はこの日の1失策だけではない。昨季鉄壁だった虎のディフェンスに、明らかな異変が生じている。

 イレギュラーが起きやすいとされる黒土&天然芝の甲子園球場をホームとする阪神だが、昨季のチーム失策数は12球団最少の57。大山、中野、佐藤ら猛虎勢7選手がゴールデン・グラブ賞をジャックし〝堅守の虎〟を印象づけた。

 だが今季の虎は113試合消化時点で、すでに昨季を上回る60失策を記録。球団OBは「(前監督の)岡田さんも言っていたけど、エラーの数そのものは大きな問題ではない。だけど今季は『敗戦に直結するようなミス』がここ数年になかったほど多い印象」と指摘する。

 シーズンの勝ち方を熟知する名門・巨人のしぶとい追走がいよいよ不気味になってきた夏の終わり。最後まで続くであろうデッドヒートを勝ち抜くためにも〝堅守の虎〟の復活は欠かせない。