熱戦が続く第108回全国高校野球選手権大会(甲子園)は22日の決勝を残すばかりとなった。今夏の栄冠がいよいよ2校に絞られたが、3回戦敗退ながら大健闘を見せたのが初出場の東日大昌平(福島)だ。

 県大会準決勝では、県内86連勝という圧倒的な強さで5連覇を狙っていた〝福島の絶対王者〟聖光学院と対戦。その牙城を崩して、甲子園への初切符をつかんだ。本大会でもエース・照沼(3年)の奮闘もあり、1回戦、2回戦を突破。3回戦で有明(熊本)に逆転負けを喫して涙をのんだが、江井監督は「選手たちは自信を持って自分たちのプレーをしてくれた」とナインをねぎらい、聖地を後にした。

 初出場の大舞台で16強入りした強さを支えたのは、ナインたちがグラウンド外で夢中になった「将棋」と「オセロ」。今年1月から3月にかけて指揮官発案のもと「考える力をつける」という目的で取り組んだ。

チームに「考える野球」を根付かせた東日大昌平・江井監督(右)
チームに「考える野球」を根付かせた東日大昌平・江井監督(右)

「結構な時間やってました」と選手の一人が笑って明かす。江井監督が寮に数セット用意すると、選手たちは練習後などの空き時間に寮へ集合。おのおのが盤を挟んで向かい合い、およそ1時間にわたって対局を重ねた。相手の出方を読み、狙いを予測し、次の一手を決める。盤上で培った思考力は、確かに野球にもつながっていた。

 選手の一人は「何事も工夫してできるようになって、練習効率とかも意識するようになった」と自身の変化を実感。他の選手も「頭を使うようになって、試合中のプレーの選択肢が増えた気がする」と〝脳トレ〟の効果を口にしていた。

 絶対王者を破り、夏の聖地でその名をとどろかせた東日大昌平。福島の新時代を築き、再びこの地に戻る。