雑念を取り払えるか──。ソフトバンクの大津亮介投手(27)が2桁勝利を目前に苦しんでいる。チームで唯一、開幕からローテーションを守り続けてきた右腕は、7月18日のロッテ戦(ZOZOマリン)で9勝目を挙げてから1か月以上白星なし。それまで14登板でクオリティースタート(6回以上、自責3以下)を逃したのは2回のみだったが、直近3試合はいずれも未達成と満足いく投球ができていない現状だ。
先発投手にとってひとつの勲章でもある2桁勝利。時代が進むにつれて勝ち星のとらえ方は変化しているものの、「好投手の証し」のひとつであることには変わりない。先発に転向して3年目、自身初の名誉を目前にしての足踏みには、もどかしさが募っても不思議ではない。
そんな中で投手陣を管理する倉野チーフ投手コーチが右腕に出したのは「雑念除去指令」だった。投手にとって白星が〝良薬〟となるケースも多い一方で、時に勝ち星への強すぎる意識は余計な意識や力みを生みかねない。倉野コーチはこうした〝雑念〟を振り払い、先発としての原点を再確認することを求めた。「勝ち負けは運の要素もある。そうじゃなくて、チームを勝たせられるだけの役割を果たすことが一番の目的じゃないか」。
勝敗は自分の力では左右できない時もある。こうした外的要因の煩悩を断ち、「チームを勝たせる投球」に意識を向けることこそが現状を打破する足がかりになると説いた。シーズンは終盤戦、倉野コーチは「チームを勝たせられない状態ならローテーションは守れない」とハッパをかけた上で、背番号19に期待をかけた。
大津は22日のオリックス戦(みずほペイペイ)で先発登板予定。「勝ててないことを忘れて。もう一度、最初の1勝目を取りにいく気持ちで」と原点回帰を誓った。雑念を振り払った先に〝4度目の正直〟が待っているか。












