勝てないチームに、思わぬ「ぜいたくな悩み」が舞い込んだ。今季も苦戦が続くエンゼルスが、今度は菊池雄星投手(35)の復帰を前に先発ローテーションの再編という難問に直面している。
米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は21日(日本時間22日)、菊池の復帰後に従来の5人制ではなく、6人ローテーションを採用すべきだとする分析を掲載した。エンゼルスは20日(同21日)時点で51勝77敗のア・リーグ西地区4位。ポストシーズン争いから大きく後退する一方、皮肉にも先発陣は「飽和」の気配を見せている。
左肩の炎症で5月から負傷者リスト(IL)入りし、現在は60日間のILに入っている菊池は、復帰へ向けてリハビリ登板を重ねている。戻れば、ウォルバート・ウレーニャ、リード・デトマーズ、ジョージ・クラッセン、グレイソン・ロドリゲス、ライアン・ジョンソンに菊池を加え、先発候補は6人となる。
しかも、単に頭数がそろっているわけではない。ロドリゲスは直近のアストロズ戦で7回5安打無失点、6奪三振。クラッセンも直近登板で7回1安打、7奪三振と好投した。後半戦のデトマーズは34回1/3で防御率1・83、44奪三振を記録し、今季防御率も3・78まで改善。ウレーニャも今季のサプライズの1人と評価され、ジョンソンも制球面に課題を残しながら将来性を示している。
そこで浮上するのが6人制だ。「ON SI」は、誰か1人をブルペンや3Aへ回すより、全員を先発に残して登板間隔を1日空けることで、若手の育成と評価、投手陣の負担軽減を同時に進められると指摘した。長期策として万能ではないものの、残りシーズンで来季以降を見極めるには理にかなうというわけだ。一方で6人制なら各投手の登板機会は減る。誰にどこまで経験を積ませ、誰を来季の軸と見なすのかという編成判断まで絡むだけに、単純に「人数がいるから6人」で済む話でもない。
健康を取り戻せば、菊池は戦力として計算したい存在だ。ただ、その復帰が一つのイスを奪い合う構図を生むのも事実。5人で絞るのか、6人で回すのか。低迷中のチームだけに手綱を誤れば、終盤戦の迷走に拍車をかけかねない。エンゼルスにとって菊池の復帰は朗報であると同時に、来季への設計図を左右する〝うれしい難問〟となりそうだ。












