怪物右腕が、二刀流の影を完全に振り切った。ブルワーズのジェイコブ・ミジオロウスキー投手(24)が、初のナ・リーグ・サイ・ヤング賞へ独走態勢に入りつつある。米メディア「ファンサイデッド」運営のブルワーズ専門サイト「レビューイング・ザ・ブリュー」は21日(日本時間同日)、残り1か月強となった同賞争いを特集。ミジオロウスキーが現時点で最有力候補に立ち、最大の対抗馬はブレーブスのクリス・セール投手(37)と位置づけた。

 数字は圧巻だ。23試合に先発して12勝5敗、防御率1・75。139回で210奪三振、WHIP0・75、被打率1割5分1厘を記録し、規定投球回に達したMLB先発投手の中で防御率、奪三振、WHIP、被打率の4部門すべてトップ。同サイトが示したサイ・ヤング賞のオッズでもミジオロウスキーは「マイナス750」で、セールの「プラス850」を大きく引き離している。

 そのセールとは21日の本拠地ブレーブス戦で直接対決する。2024年の同賞受賞者でもあるセールは今季12勝8敗、防御率2・16、129回で160奪三振。実績では上回るものの、今季の支配力と投球量では若き剛腕が一歩先を行く構図だ。

対抗に名が挙がったブレーブスの左腕セール(ロイター)
対抗に名が挙がったブレーブスの左腕セール(ロイター)

 開幕当初、このレースで最大の注目を浴びていたのはドジャースの大谷翔平投手(32)だった。5月下旬には防御率0・82と驚異的な数字を残し、ミジオロウスキーとの争いがクローズアップされた。だが、大谷は左ヒザ痛に加え右上腕二頭筋にも不安を抱え、7月3日(同4日)を最後に投手として戦線離脱。14先発で8勝2敗、防御率1・79と内容は一級品でも85回3分の2にとどまり、受賞争いからは事実上脱落した格好となった。

 象徴的だったのが15日(同16日)のドジャース戦だ。ミジオロウスキーは6回1失点で12勝目を挙げ、5回一死満塁では大谷を空振り三振。かつて最大の壁と目された二刀流を、賞レースでも直接対決でも蹴散らした。

 ブルワーズでサイ・ヤング賞に輝いたのは過去3人だけ。2021年のコービン・バーンズ以来、球団4人目の栄冠まであと一歩だ。同サイトはミジオロウスキーが個人成績以上に、チームの10月を見据えていると指摘する。初戴冠への最短距離を走る24歳にとって、セールとの一騎打ちはゴール前の最大の難関となる。