第108回全国高校野球選手権大会準々決勝(18日)で仙台育英(宮城)は智弁和歌山に3―11で完敗を喫し、今年の夏を終えた。
須江航監督(43)は「後悔はない。うちのいいピッチャーを攻略された、ただそれだけです」とやり切った表情を浮かべた。そんな須江監督について、選手の1人は「部員76人のことを思って、全員に同じ熱量で向き合ってくれます」と感謝の思いを語る。
その言葉を裏付けるのが、年に3~4回行われるという1on1ミーティングだ。大会前や代替わり、大会後など節目のタイミングで練習中に一人ずつ選手を呼び出し、やるべき練習や目指す方向性をともに確認する。
やるべきことがはっきりしている選手とは確認程度に5分ほど。悩みを抱えている選手とは20分ほどじっくり話す。1日5人前後、約2週間をかけて76人全員と1対1で話をする。「頭の中を整理して、やるべきことを明確にしてもらえるので、練習に集中できるようになった」と前出の選手。面談の最後には必ず「なにか聞きたいことはあるか?」と質問を投げかけてくれるといい、どんなことでも話しやすい雰囲気であることを口にした。
技術面だけではなく、人間関係の悩みや選手同士の関係性についてもヒアリング。必要があればミーティングの場を設け、風通しのよいチームづくりに取り組んでいる。
3年生の部員は「進路で悩んでいたんですが、監督さんがいろいろな大学を紹介してくれて、最後に『お前が1番行きたいと思えるところを選んだらいい』と背中を押してくれた。そのおかげで行きたい大学を選べた」と明かす。
一人一人が抱える悩みに耳を傾け、その選手に必要な言葉を処方する須江監督。コロナ禍の4年前、104回大会優勝時の「青春って、すごく〝密〟なので」の名言も話題となったが、教育者としての熱を持つ。
今大会は8強で夢破れた仙台育英だが、ホットな監督と選手の信頼関係は全国随一。絆の深さを武器に、またすぐに甲子園へ舞い戻ってくる。












