ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(54)が6月30日(日本時間7月1日)に敵地サクラメントで行われたアスレチックス戦で、監督通算1000勝を史上最速で達成した。

 選手たちからシャンパンで祝福されたという指揮官は「本当に素晴らしい人たちに囲まれて仕事をできる幸運に恵まれた」と周囲への感謝を述べた。ただ、大谷を筆頭に多くのスター選手をそろえる屈指の人気球団を率いる重みは計り知れない。年間の総決算となるワールドシリーズ(WS)で優勝できなければ、それまでの過程は評価されず敗戦の責を一身に背負う。そればかりか日々の試合でも敗れれば、たちまち激しいバッシングにさらされる。

 指揮を執り始めた2016年から超過酷な環境をどう生き抜いてきたのか。米全国紙「USA TODAY」では以前、ドジャースを「162試合のシーズンを戦うわけではない。『1試合だけのシーズン』を162回戦う」と形容し、ロバーツ監督から「結果責任の重さや細部に至るまでの管理の難しさという点で毎晩が(WSの)第7戦のような気分になる」と本音を引き出していた。

 そんな中でもメンタルを維持できるのは〝仕事モード〟との切り分けだという。中でも昨年から週1、2度通うようになったゴルフは「自分時間」となり、ラウンド中は何かと連絡が入る携帯電話を封印。ロバーツ監督は「『またゴルフをしているのか』と見られるかもしれないけど、その通り。ゴルフをしている。謝るつもりなんてないよ。すごく気持ちいいんだ」と胸を張っていた。

 また、トリシア夫人に諭された「剣を置きなさい」との言葉も大切にしている。そのおかげで「たとえ選手たちが反応してくれなくても、気に入らない情報や出来事に出くわしても、ファンからネガティブな反応があっても剣を置くだけで心の重荷が軽くなる」という。

「多くの人が仕事と労働時間だけに没頭し、心身の健康を損なっている。私も監督になった当初は『バランスなんて取れるわけがない』という昔ながらの考えにとらわれていた。その考えを私はもう乗り越えた」

 就任11年目の指揮官にとって1000勝は通過点にすぎず、自らに「優勝できなければ失敗」と義務づけるWSの3連覇へ突き進む。