MLBの次なる火種は、グラウンド外にも広がり始めている。米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は25日(日本時間26日)、労使協定満了に伴う12月1日(同2日)のロックアウト危機をにらみ、各球団の編成トップが厳しい監視下に置かれていると報じた。中でも格好の標的になっているのが、ナ・リーグ東地区最下位のまま浮上の見込みも全く見えないメッツだ。
同サイトによれば、メッツのデビッド・スターンズ編成本部長(41)は、オーナーのスティーブ・コーエン氏(70)が「メッツ版アンドリュー・フリードマン」として招いた切り札だった。ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長(49)のように、豊富な資金を勝てる組織力へ変える。その青写真は、スターンズ氏が就任1年目にナ・リーグ優勝決定シリーズへ進み、ドジャースに敗れた時点では希望を抱かせた。
だが、今はその逆だ。メッツの年俸総額はメジャー2位の3億6900万ドル(約590億円)。コーエン氏は春季キャンプでプレーオフ進出を最低ラインとし、2年連続で逃すことは「良くない」と語っていた。しかし、選手構成とコーチングスタッフの大幅刷新は空回りし、チームは前半戦で失速。大金を投じても勝てない球団として、ぜいたく税や年俸格差を巡る労使対立の中で、格好の「悪い例」にされかねない状況へ落ち込んでいる。
挙句の果てに26日(同27日)、メッツはチームの成績不振を理由にカルロス・メンドーサ監督(46)を解任すると電撃発表。元パドレス監督で、選手育成担当上級副社長などをメッツで務めていたアンディ・グリーン氏(48)が暫定監督になることが明らかになったが、先行きは依然として不透明だ。
問題はメッツだけではない。同記事は、ジャイアンツのバスター・ポージー編成本部長(39)、レッドソックスのクレイグ・ブレスロー編成本部長(45)、エンゼルスのペリー・ミナシアンGM(46)らも厳しい監視下にあると指摘する
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ジャイアンツは33勝46敗でメジャー全体でも4番目に悪い成績に沈み、レッドソックスもア・リーグ東地区最下位で監督交代後に浮上できていない。ア・リーグ西地区最下位のエンゼルスもやはり相変わらずの弱さだ。だが、資金力、期待値、失望の大きさを考えれば、最も重い失策の象徴はやはりメッツだろう。
7月11~13日(同12~13日)のアマチュアドラフト、8月3日(同4日)のトレード期限が迫る中、通常なら球団はトップ解任に踏み切りにくい。一方、ロックアウトに入れば選手移籍は凍結されるが、フロント人事は動かせる。高額投資で勝てないメッツの迷走は、今オフの人事だけでなく、MLB全体の制度論争にまで火をつける危険な失敗例となりつつある。












