去った主砲の名が、崩れ落ちる内野に突き刺さった。メッツは24日(日本時間25日)、本拠地シティフィールドで行われたカブスとのダブルヘッダーで3―10、5―10と連敗した。ナイトゲームの2試合目は今永昇太投手(32)に5回1/3を4失点と粘られ、9回に守備が完全崩壊。4連戦の第3戦を落とし、泥沼の5連敗で34勝46敗まで沈んだ試合の終盤、本拠地の空気を一変させたのは、昨オフにオリオールズへ移籍したピート・アロンソ内野手(31)の名前だった。
米メディア「ヘビー」などによると、9回裏のシティフィールドでは、観客席から「ピート・アロンソ」のチャントが執拗に響いた。球団史に残るスラッガーで「ポーラーベア」の愛称でも親しまれた主砲を失ったツケを、目の前の惨状があらためて突きつけた格好だ。
皮肉だったのは、そのコールの引き金が打撃不振ではなく守備崩壊だったことだ。メッツはこの2試合目で6失策。先発した内野陣がそろってミスを記録し、マーク・ビエントス内野手(26)とマーカス・セミエン内野手(35)が2失策ずつ、フランシスコ・リンドア内野手(32)とボー・ビシェット内野手(28)も1失策を喫した。9回二死からビエントスが鋭いゴロを処理し切れず、3点を失った場面で怒りは一気に噴出した。
アロンソは今季、オリオールズで82試合に出場し18本塁打、打率2割5分3厘、出塁率3割4分1厘、長打率4割7分4厘。対照的にメッツの同ポジション周辺は攻守で物足りなさが目立つ。アロンソ自身も守備が売りの選手ではなかった。それでも、フロントが「失点防止」を重視して再契約を見送ったと受け止められている以上、代役には相応の守備力と打力が求められる。そこで6失策の大崩れを見せれば、ファンの不満が本人不在の名前となって噴き出すのは当然だった。
カブスではダンズビー・スワンソン内野手(32)がダブルヘッダー2試合で球団記録の11打点と大暴れ。一方のメッツは打たれ、守れず、主砲流出の傷口までえぐられた。単なる1敗ではない。シティフィールドに響いた「ポーラーベア」コールは、低迷する名門の編成判断そのものへ向けられたブーイングでもあった。












