また「危険な賭け」に手を出すのか――。今夏、タイガースからドジャースへ移籍した2年連続サイ・ヤング賞左腕のタリク・スクバル投手(29)は今オフにFAとなる。ドジャースとの再契約、古巣復帰に加え、メッツも争奪戦に参戦する可能性が取り沙汰されている。だが米スポーツメディア「ファンサイデッド」は12日(日本時間同日)の記事内で「メッツが本当に狙いそうなのは別の左腕ではないか」と、独自の視点からさらに切り込んだ。
その名は、ドジャースが3日(同4日)にロイヤルズから獲得したクリス・バビク投手(28)だ。2025年にオールスターへ選出された左腕は、ロイヤルズで直近2シーズンに計29試合へ先発し、防御率3・02、守備の影響を除いて投手の実力を測る指標「FIP」も3・14。今季は9試合で3勝2敗、防御率4・11、50回3分の1を投げた。ただし、昨季は左肩腱板損傷で20試合の先発にとどまり、今季も左肘痛で離脱。ドジャース加入時点でも60日間の負傷者リストに入っており、FA市場では故障歴が評価を押し下げる可能性がある。
そこに同メディアが見いだしたのが、メッツのデビッド・スターンズ野球部門社長の「好み」だ。フアン・ソト外野手(27)の獲得には巨額を投じた一方、先発投手では市場の最上位層を避け、比較的割安な戦力に賭ける補強を繰り返してきた。高額必至のスクバルより、故障で値が下がる可能性のあるバビクの方が「スターンズ流」に合うというわけだ。
その成功例がクレイ・ホームズ投手(33)だ。ヤンキースで救援を務めていた右腕を24年オフに3年3800万ドルで獲得し、先発に転向させる〝賭け〟に成功。25年は31試合に先発して12勝8敗、防御率3・53、165回2/3を投げ、今季も右腓骨骨折で離脱するまで9先発で防御率2・39だった。一方、同じオフに2年3400万ドルで獲得したフランキー・モンタス投手(33)は対照的だった。右広背筋を痛めて出遅れ、復帰後も7先発で防御率6・68。救援へ回った後に右ヒジの靱帯を損傷してトミー・ジョン手術を受け、昨年11月にはDFA(事実上の戦力外措置)となり今季は全休している。
つまり、バビクが「次のホームズ」になるのか、それとも「次のモンタス」になるのか。健康なら魅力的な左腕でも、27年の巻き返しを求められるメッツにとって故障歴を抱える投手への投資は小さくない。同メディアが「危険な賭け」と警鐘を鳴らすのもそこだ。スクバル争奪戦の陰で浮上した〝もう一人のドジャース左腕〟。スターンズ氏が再び得意の再生狙いに踏み込むのか、その選択は今オフの命運を左右しかねない。












