ソフトバンクは22日の日本ハム戦(みずほペイペイ)に10―0の大勝を収めた。開幕から同カードは無傷の6連勝。パ4位に沈む王者が、今季好相性のライバルを投打で圧倒した。DeNAからトレードで加入した山本祐大捕手(27)の移籍後初アーチなどで大量10得点。連敗を喫した前カードのオリックス戦後に緊急ミーティングを開くなど、不安定な戦いで正念場を迎えている鷹が意地を見せた。

 チームは今、先発危機に陥っている。開幕投手を務めた上沢を右ヒジのコンディション不良で欠き、大関ら主戦級の先発陣が再調整。実に開幕ローテーション投手の4人が一軍不在の状況だ。そんな中、今季初先発となった前田純投手(25)が5回2安打無失点の好投。「チャンスが巡ってきたので、このチャンスを逃すとしんどい。絶対に逃したくないという気持ちだった」。山本祐の好リードにも乗せられ、言葉通りの奮起だった。

 小久保監督は「こちらの予想以上」と63球の力投を評した上で「本当に立派なピッチングだった」と救世主とも言うべき25歳のパフォーマンスに目を細めた。

 指揮官の言葉に感情がこもるのも当然だった。来週から始まる交流戦は3週連続の6連戦。気温も上がり、選手の疲労も濃くなる時期だ。投手の整備に余念がない指揮官にあって、目の前にある〝先発不安〟は悩ましい。球団は交流戦からの一軍配備が既定路線となっていた育成左腕のアレクサンダー・アルメンタ投手(21)の支配下昇格を22日に正式決定。メキシコ代表として出場したWBC後に右腹斜筋を痛めるアクシデントで、当初4月中旬に予定されていた一軍デビューが見送られた最速159キロ左腕を満を持して出陣する。

 それでも主戦級を欠く状況は綱渡りの戦いとなる。3月下旬の再来日以降、昨季までの勤続疲労も考慮して「万全調整」を続けてきた絶対エースのリバン・モイネロ投手(30)が、コンディション面の不安を完全に払拭すべく一軍合流に向けたロードマップを下方修正。最強左腕を焦らせることなく帰還させられるかはチームの運命を左右するだけに、現有戦力の奮起は欠かせない。