福岡移転後初のリーグ3連覇を狙うソフトバンクは日本ハムとの開幕カードで3連勝を飾り、最高のスタートを切った。初戦から伊藤、達、有原と力のある投手を先発に立ててきたライバルを一蹴。3試合連続の逆転勝ちで地力の差を印象づけた。
シーズンは143試合の長丁場でチームの総合力がモノを言う。主力だけで勝ち続けることは難しく、常に主力選手がフレッシュな状態で満足に戦えるとも限らない。ホークスの強さを象徴するのは、投打それぞれにいわゆる「便利屋」と称される役割をハイレベルにこなす選手がいることだ。
象徴的だったのは開幕カード3戦目。献身性の塊のような投球を披露したのが、上茶谷大河投手(29)だった。6回から2番手で3回1失点。小久保監督が「今日は何と言ってもカミチャ(上茶谷)。どうしても連投続きで使える投手の数が少ない中で3イニングいってくれた。今日の投手の中では一番の貢献度」と声を大にすれば、倉野チーフ投手コーチも「ああいう役割ができてくると、こっちも選択肢が広がる。もちろんショートもできるだろうし、複数イニングもいけるところを見せてくれたことがチームにとってかなり大きい」と最敬礼だった。
この春は先発ローテーション入りを目指し、キャンプから猛アピール。手応えがあった中で激しい競争に敗れ、開幕直前に中継ぎに配置転換となった。「役割はちまたで言うところの『便利屋』です」(上茶谷)。今季初登板で使命を全うするあたりが、チーム内で慕われる男の真骨頂だった。
開幕前、こんな心意気を明かしていた。「まさに便利屋ですが、便利屋という呼ばれ方が好きじゃない。だから、このポジションを『カミチャ』と呼ばれるくらい頑張りたい。(球界内で今後)コーチが『今年はカミチャをやってもらうよ』と選手に通達するくらいに」。先発とリリーフ両方をこなせ、敗戦処理や試合の立て直し、長期的視野に立った〝周囲を生かす起用法〟にも応じることができる尊い存在。「便利屋」の改称を訴えるのは、それだけ誇りを持ち、役割を全うしようとする29歳の所信表明だ。
カミチャの野望――。鼻息の荒さが頼もしい。












